津田大介×長澤秀行×大元隆志×梅木雄平 第2回 「社員一人ひとりがソーシャルメディアを使って情報発信するインバウンドマーケティングの時代」
Social Media Week Tokyo 特別座談会
〔左から〕津田大介さん、長澤秀行さん、大元隆志さん、梅木雄平さん

第1回はこちらをご覧ください。

コミュニケーションのプラットフォーム

津田 梅木さんは、フリーランスになると決断されてからずっと今まで仕事をされてきて、やはりお仕事の新規の依頼というのは、ソーシャル経由のものが多いんでしょうか? それとも、人とのリアルのつながりからの紹介みたいなものが多いんですか?

梅木 いちばん可能性が高いのは、私のブログをご覧になっていただいた方がFacebookやTwitterでシェアをしていて、それを見た私の知り合いが「あ、こいつ知っているよ、興味があったらつなごうか?」というケースですね。そういうふうに最初にブログ経由で興味を持っていただいて直接の知り合いにつないでもらうという形が多いと思います。

津田 Facebookが有効に機能するわけですね。

梅木 そうですね。あとは、私の場合けっこう戦略的にやっているのが、自分が知り合いたいと思う人のことをあえてブログで取り上げるんです。向こうからすると、事前に何もつながりがないのに勝手に取り上げてくるということで、ちょっとテロのような感じなんですが(笑)、それで向こうがご興味を持ってくださって、実際にお会いして仲良くなった、というケースもいくつかあります。

津田 そこから仕事につながっていくということもある、と。ある意味で言うと、ソーシャルメディアやブログというものがなければ、フリーランスになるという決断自体も遅くなった可能性もあるということですね。

 昔はいわゆる自分の専門分野というものを作ってそれの評論家なりコンサルティングなりというものをやって、周辺領域で商売した。まずは出版社から本を出したり、それで専門家としてテレビに出るなり、セミナーみたいなものをやって知名度を上げていって、それによって仕事が出てくるという感じだった。梅木さんはそういうスタイルではないですよね?

梅木 全然そういうスタイルではなくて、ソーシャルメディア上でいろいろコンテンツをシェアしていただいたことによって、ご覧いただける方が増えていったということです。

津田 ブログを書くときにこういう書き方をすると採り上げやすくなるな、というふうなノウハウみたいなものをけっこう書かれていたのが目につきましたが。

梅木 そうですね、自分で考えたり、お偉いさんに聞いてみたりですとか。

津田 ここで何か一つ明かせるノウハウはありますか?

梅木 とある有名なニュースメディアライターの方に、たとえば「若者の○○離れ」というキーワードを入れるとバズしやすいよ、と聞きました(笑)。私は「2013年には若い女性のFacebook離れが加速する」というような記事を書いたんですが、その方がおっしゃった通りバズりました。

津田 それは何かツッコミを入れたいというのもあるんでしょうね。それでタイトルではそうだけれど、中身は割と地味な分析でもそういうタイトルでうまく人をうまく釣って。

梅木 タイトルで釣ることを意図してしまっているときはありますね。

津田 たしかに今はずっとFacebook辺りが新しい流れを生み出しているという状況がある。本当にPR業界から広告業界から、Facebookで何とかソーシャルなキャンペーンができないか、という試みはどこでもやっているんです。逆に言えば、実際に広告宣伝の人に話を聞くとけっこう苦労する声も聞かれるんですよね。

 結局、テレビとか新聞雑誌の広告というのは一回作ってしまえば手離れしたし、それがどれくらい見られているかという効果測定みたいなものもあまりされなかったけれども、ソーシャルでは一回やったらたいへんです。それこそ長澤さんがさっきおっしゃったように自走し始めればいいですけれど、自走し始めるまでのメンテがたいへんです。自走し始めたらし始めたで、やっぱり変な人が来たときにそこのメンテをしなければいけなくて、終わりが見えない。

 終わりが見えない割に、実際にどこまで利益につながるのかというのもまだ見えてきていないということもあって、辛い、しんどい、みたいな話もやっぱり聞くんです。以前、アメリカのGMがFacebookのキャンペーンをやめるという話も出てきていた。

 Facebookは注目されているけれども、実際にどこまで効果があるのかという疑問の声も企業側から出てきている。そういう意見はFacebook先進国であるアメリカでも出てきている。こうした事例については、長澤さんはどう見ておられますか?

長澤 GMの事例はよく読むと、Facebookの広告をやめて、よりディーラーに近いところ、いわゆる販売支援のFacebookソーシャルマーケティングに費用を移すべきではないか、という論点だったようです。それはFacebookを否定したということではないと思うんです。まだまだFacebookの使い方というのがアメリカでも試行錯誤中なのかな、ということではないでしょうか。

 それと、やはりFacebookは広告プラットフォームとして作られているわけではなく、コミュニケーションのプラットフォームとして作られていますので、そのなかでマーケティングとしての使い方もあるし、津田さんのようなメディアとしての使い方もある。

 そういう環境のなかで、企業がどういう企業人格や商品人格を打ち出していくのか、というのが前提にないと、そこで特別にキャンペーンを作り込んでいくというのは厳しい時代になっているのかもしれないな、という感じはします。

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