経済・財政
竹島問題の背景にある日本の「経済力」の衰退。日韓企業の競争力の差を生む「円高」「ウォン安」の構造を変えよ
李明博大統領はレイムダック状態にある photo:Getty images

 韓国・李明博大統領が8月10日竹島に上陸、19日には閣僚が出席した石碑除幕式が行われた。ロンドン五輪のサッカー3位決定・日韓戦で、勝利した韓国選手が竹島は韓国領だと主張したことも国際的に問題になっている。

李大統領はあと任期が半年しかなく、レイムダックに陥っている。韓国の大統領が人気取りのために「反日」姿勢に転じるのは、これまでにもしばしばみられた。

いうまでもなく、竹島については、韓国による不法占拠である。1952年、韓国はいわゆる「李承晩ライン」を国際法に反して一方的に設定し、それに竹島を取り込んだ。1954年、韓国は沿岸警備隊の駐留部隊を送り、現在に至るまで常駐させている。こうした戦後のどさくさに紛れた国際法上許されざる行為については、日本として毅然とした態度をとり続けなければいけない。

国際司法裁判所への提訴は当然だ。最近になってから、国際司法裁判所により解決した領土問題は増えている。戦後国際司法裁判所により解決した領土問題は13件ある。1990年代に3件、2000年代に6件となっている。ただし、国際司法裁判所への提訴は、紛争当事国の一方が拒否すれば審判を行えない。竹島の場合、過去の経緯からみれば、韓国に分が悪いので出てこないだろうが、提訴によって国際的に問題が認知される効果は大きい。しかも竹島は客観資料も多い。

それとともに、駐韓大使は日本に召喚する。政府レベルの会合は当面行わない。例えば、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)や経済連携協定(EPA)も交渉しない。李政権はレイムダック状態なので、これは日本にとっては何も痛いことでない。このような人気取りをする李政権とは一切付き合わなくてもいい。

日韓通貨スワップは破棄して、次期政権で検討すればいい

そこで、今年10月末に期限を迎える日韓の通貨交換(スワップ)協定が問題になっている。外交的に考えれば、自然延長はあり得ず、破棄ということになる。実のところ、この通貨協定は、経済危機のときに協調介入などを行い時間稼ぎをするための手段でしかなく、実際上の効果ははなはだ怪しいものだ。ということは、なくても実際の支障が生じないので、いまあえて交渉を進める意味はない。もし必要なら、いったん廃棄してもポスト李政権で検討すればいい話だ。

 本稿では、こんな明白な話よりも、日韓の国力をどうするかを考えたい。

 米国シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は、15日、アーミテージ元米国務副長官、ナイ・ハーバード大教授など超党派の米有力者グループによる日米同盟に関する第3弾目の報告書を公表した。その中で、一流国の定義として「顕著な経済力」、「有力な軍事力」、「地球規模のビジョン」、「世界的問題解決におけるリーダーシップ」の4条件を挙げている。米国は一流国と同盟するといっているので、もし日本が一流でなかったら日米同盟はなくなる。そうなってからでは遅い。一刻も早く平和ボケから脱して、真の一流国にならなければいけない。

日本の場合、この中で何がもっとも重要かといえば、「経済力」だ。経済力があれば、防衛費は何とかなる。もし90年代からの失われた20年がなければ、今頃名目GDPはゆうに1000兆円を超えていたはずであり、そうであれば防衛費は10兆円以上になっていただろう。田母神俊夫さんにこの話をしたら10兆円あれば、アジアの安定に十分すぎるといっていた。

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