ユーロ圏信用不安の一服感で投資家に広がるリスクオン傾向
底堅い動きを見せる株式市場〔PHOTO〕gettyimages

 つい最近まで、多くの投資家はリスクを取ることを嫌い、リスクオフの姿勢を続けてきた。多くの投資資金は、世界的な安全資産と言われるドイツや米国、日本の国債に流れ込んでいた。その結果、それぞれの国債利回りは低位で安定してきた。

 ところが、足元で、そうした投資家の状況に少しずつ変化が出始めている。ユーロ圏の信用不安問題が一服していることに加えて、米国経済にも回復期待が高まっており、主要な株式市場は底堅い展開を示す一方、今まで低下を続けてきた国債利回りが、徐々に反転する兆しを見せ始めている。

 また不動産市場にも、少しずつ投資資金が流入し始めている。不動産投資は、土地・建物という実物が基礎になっているため、運用からのキャッシュフローの推計を行うことが可能だ。売られすぎて適正価格よりも低くなった不動産を取得しておけば、いずれ収益を手にすることができるというのが投資家の基本的な考え方だ。ただ、そうしたスタンスが吉と出るか否かは、もう少し状況を注視する必要があるかもしれない。

投資家のリスクオン姿勢の背景

 投資家がリスクを取り始めた背景には、欧米経済の下振れリスクがやや沈静化していることがある。ユーロ圏の信用不安問題は、現在、取り敢えず一服しているところだ。また、米国経済についても、消費活動などに少しずつ明るさが見え始めている。その為、ヘッジファンドなどの投機筋も、株売り=国債買いのポジションを徐々に巻き戻している。

 加えて、投資家たちは、底値圏にある資産に投資をおこなう、いわゆる"逆張り"の発想で株式などのリスク資産を徐々に手を出し始めている。不動産アナリストの友人にヒアリングすると、「海外から、わが国の不動産市場に投資資金が流入し始めている」という。既に大手の不動産ファンドが、数千億円単位で国内の不動産案件を探し始めているという話もあるようだ。

 また、穀物などのコモディティー先物にも資金が流れ込んでいるという。今のところトウモロコシなど一部の農産物を除くと、先物価格はそれほど高騰しているわけではないが、今後、先行きの不透明感が払しょくされると、2008年のような大相場になるとの見方もある。

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