プチ帝国主義政策を展開し始めた韓国と、それを利用する中国の真性帝国主義

佐藤 優 プロフィール

 このような日本の主張は、国際的に説得力を持つ。

 尖閣問題に関し、日本は領土問題が存在しないと主張し、中国と台湾は領土問題が存在すると主張している。客観的に見れば、これも③のケースに相当する。ただし、竹島問題と正反対の立場を日本は取っている。この状況を放置しておくと、国際社会から、日本が竹島問題と尖閣問題でダブルスタンダード(二重基準)を用いていると認識され、日本の誠実さが疑われる危険が存在する。この危険を回避するための外交戦略を外務省が考えているとは思えない。

 結果として、尖閣の主権を維持し、竹島の主権回復を図る外交戦略を政治主導で構築する必要がある。中国が、尖閣諸島の領有権を主張してきた場合、日本は恐れることなく交渉に応じるという方針に転換すべきだ。そして外交交渉の場で日本が中国に対して、「歴史的にも国際法的にも尖閣諸島が日本領である」と毅然と主張し、これを国際社会に対して発表すべきだ。

 中国は、「日本が尖閣諸島に関する領土問題の存在を認めた。中国外交の勝利だ」というキャンペーンを展開するであろうが、恐れる必要はない。尖閣諸島に関しても、竹島に関しても、日本政府、外務省は、逃げ腰の姿勢ではなく、外交交渉の場で日本の立場を理路整然かつ毅然と主張することがわが国益に適う。

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著者:佐藤優
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