プチ帝国主義政策を展開し始めた韓国と、それを利用する中国の真性帝国主義

佐藤 優 プロフィール

 私は、日本には(国賓としては)行っていない。シャトル外交はするが。日本の国会で私の思うままにしたい話をさせてくれるなら、(国賓訪問を)しよう。(天皇も)韓国を訪問したいならば、独立運動をして亡くなられた方々のもとを訪ね、心から謝罪すればいい。何か月も悩んで「痛惜の念」などという言葉一つを見つけて来るくらいなら、来る必要はない。

 私は2年前に訪日し、テレビ局で100人の学生らと生放送で質疑応答した。若者が「大統領は未来志向で行くと言って過去より未来に向かっていくと言うのだが、過去を全て忘れるということか」と尋ねた。私は実際にあった話をした。

 小学生だった頃、暴力的な子がいて私をよくいじめた。その子のせいで学校に行くのが嫌だった。ひどく殴られた。小学校を卒業してから40~50年たったある集まりに、この友人が来た。この友人は(自分との再会を)どれほど喜んだことか。これは私がソウル市長時代の話なのだが、私の名前を呼びながら近づいて来たので、「あいつ、俺をいじめたやつだ」との考えが頭をよぎった。この話を(若者に)した。

 加害者は忘れることができるが、被害者は忘れず、ただ許すだけだ。忘れはしない。日本の加害行為は、許すことができるかわからないが、忘れることはないと話した。うまく答えたのではないか。

 日本とは多くのことで協力していかなければならない。ただ、問いただすべきことは、ただしていかなければならない。(ソウル 中川孝之) >(8月16日、読売新聞電子版)

プチ帝国主義政策を展開し始めた李明博大統領

 竹島上陸は、2~3年前から考えていたという李明博大統領の発言を額面通りに受けとめるべきだ。天皇陛下の韓国訪問について、<(天皇も)韓国を訪問したいならば、独立運動をして亡くなられた方々のもとを訪ね、心から謝罪すればいい。何か月も悩んで「痛惜の念」などという言葉一つを見つけて来るくらいなら、来る必要はない。>という発言をすれば、日本側から激しい反発が来ることを李明博大統領は織り込んだ上で、わざとこのような挑発的発言を行ったのである。「歴史カード」を最大限に用いて、韓国は日本との力が均衡する境界線を引き直そうとしているのだと筆者は見ている。

 過去10年、国際社会は帝国主義的傾向を強めている。帝国主義国は、相手国の立場を考えず、まず自国の要求を最大限に主張する。それに対して、相手国が怯み、国際社会も沈黙するならば、帝国主義国は自国の権益を拡大する。

 相手国が激しく抵抗し、国際社会も「ちょっとやりすぎだ」という反応をすると、帝国主義国は国際協調に転じ、妥協する。それは帝国主義国が心を入れ替えたからではない。これ以上、横車を押すと相手国や国際社会から強力な反発を受け、結果として自国の利益にならないので、国際協調に転じるのである。