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2012年08月16日(木) 小林 雅一

本当は誰が誰を真似したのか? ~アップル対サムスンのスマホ特許裁判

〔PHOTO〕gettyimages

 先月末に米国で始まったアップル対サムスンの特許裁判。これまでのところは、主に製品のデザイン(意匠)を巡って激しい議論の応酬が繰り広げられた。平たく言えば、アップルは「サムスン製のスマートフォンやタブレットは、アイフォーンやアイパッドにそっくりだ」と主張し、サムスンは「あんな形の端末は昔からいくらでもあった」と反論している。

 そもそもアップルは自社製モバイル端末のデザインについて、どのような特許を取得しているのだろうか? まずアイパッドについては、米特許商標庁(USPTO)から2005年5月に、このようなデザイン特許を、アイフォーンについては2009年5月にこのようなデザイン特許を取得している。

 筆者はデザインや特許に関しては素人である。そう断った上で敢えて言わせて頂くと、上記図面に描かれているアイパッドの形状は筆者には単なる四角いパネルにしか見えない。かつてサムスンの某幹部が、「アップルは『四角形を発明した』とでも言いたいのか!」と発言したとされるが、これが特許として認められてしまうなら、そう言いたくなる気持ちも分かる。一方、アイフォーンのそれはアイパッドよりは意匠めいて見えるが、それでもやはり随分とシンプルである。

 今回の裁判でサムスンは、「アップル製端末のデザインとは要するに、『四隅が丸いカーブを描いている四角形(rounded corners and rectangles)』だが、こうした形状のタッチパネル方式スマートフォンは、アイフォーンが登場するよりも前からあった」と主張している。同社がその一例として挙げたのが、同じ韓国のメーカーであるLGが2006年12月に発表した「LG Prada」と呼ばれるスマートフォン(図1)だ。

図1)LGが2006年末に発表したLG Prada

 LG Pradaの形状は明らかにアイフォーンとの類似性が見られる。それはまたアイフォーンと同じく静電方式のタッチパネルを搭載し、音楽再生プレイヤーとしても使える等、部品や機能面でも共通性がある。しかも米国でアイフォーンが発表された2007年1月よりも前に、公式にお披露目されている。これらの点を指摘することで、サムスンは「アイフォーンは、アップルが言うほど独創的な製品ではない」と批判した。

 もっともアイフォーンの方が後に発表されたからと言って、それがLG Pradaのデザインを模倣したというわけではない。同じく今回の裁判でアップルが開示した内部資料によって、同社がアイフォーンのデザインを初めて考案したのは(LG Pradaが発表されるより、ずっと以前の)2005年8月であることが示されたからだ。

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