「官僚主導」で消費増税法案を成立させた野田政権。自公民の数の力を盾に横暴を働くさまは大政翼賛会そのものである!
増税法案が成立した8月10日の衆議院本会議〔PHOTO〕gettyimages

 10日(金曜日)の参議院本会議で、税と社会保障一体改革関連の8本の法律が成立した。全国紙の社説は、「決める政治」を賞賛する論調が目立つが、日本の政治に異常な事態が続いているという認識を持たねばならないのではないか。なぜなら、それなくしては、民主主義の崩壊、政治の劣化をくいとめることはできないからである。

三党の数の力で決まってしまう法律

 まず最大の問題は、野田内閣の方針転換である。マニフェストで約束したことと全く逆のことを行っている。これは、公約違反である。公約を変えるのならば、解散して、新しい公約を国民に提示し、その信を問わねばならない。3年間に及ぶ民主党政権下で、マニフェストという言葉は詐欺と同義語になってしまった。

 候補者は何を訴え、有権者は何を信じればよいのか。公約を掲げて選挙を戦うという代議制民主主義の根幹を覆してしまったことの責任をどうとるのか。金曜日の夕方の記者会見で、野田首相は公約違反を謝罪したが、そのような言葉のみで済む問題ではなかろう。

 自民党、公明党の方針も理解に苦しむ。民主党政権が問題だらけなのは自明であり、これを倒すことが野党の最大の課題である。しかし、このデフレ下で増税することのみで一致し、社会保障改革のほうは不十分なまま、三党の数の力で、法律を決めてしまうのは如何なものか。合意できない課題については、すべて国民会議に丸投げというのでは、何のための国会か。

 社会保障改革については、民主党の提案である最低保障年金、総合子ども園、後期高齢者医療制度廃止、子ども手当などの全てが間違っているわけではないし、これまで自公政権で決めてきた政策が全て正しいわけでもない。とくに、後者については、政官業の癒着が甚だしい分野も多く、したがって、たとえば幼保一元化などがいつまでも実現できないのである。

 だからこそ国民は政権交代に期待したのであり、自民党の飼い猫のようになってしまった長妻元厚労大臣の姿など、誰も期待しなかったはずである。今回の曖昧で中途半端な社会保障改革案では、明るい未来は約束されていない。

 増税分は社会保障のみならず、公共事業のバラまきに使うという。これは自民党や公明党が、政官業癒着の古い政治から脱却できていない証左であり、その体質を批判して政権の座に就いたはずの民主党までもが、自公に習おうとしているのは笑止千万である。

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