[ロンドン五輪]
<第15日(10日)>男子サッカー、44年ぶりの銅メダルならず  ボクシング・村田、48年ぶり決勝進出! 清水は銅

関塚ジャパン、カウンター2発に沈む

 10日、男子サッカー競技の3位決定戦が行われ、U-23日本代表が同韓国代表(アジアA組1位)と対戦した。日本は前半38分、FWパク・チュヨンのゴールで先制される。その後、同点ゴールを狙いにいくが、逆に得点を決められて突き放された。韓国は五輪で初めてメダル。関塚ジャパンのロンドン五輪は、悔しい結果で幕を閉じた。

◇3位決定戦(カーディフ)
U-23日本代表 0-2 U-23韓国代表
【得点】
[韓] パク・チュヨン(38分)、ク・ジャチョル(58分)

 日本の悪い部分がすべて出た試合だった。その結果、手にしかけていた44年ぶりのメダルは、韓国に奪われた。攻撃はゴールに迫るアイデアと強引さがなく、ボールを支配するだけにとどまった。また、守備は韓国のロングボール主体の攻撃に苦戦。カウンターからあっけなく失点を重ねてしまった。

 序盤はボール際で激しい競り合いが続き、いかにも“日韓戦”らしい立ち上がりとなった。日本は細かいパスワークから、対する韓国はフィジカルを生かしたボールキープから前線への長いパスでチャンスを狙う。しかし、お互いに一歩も引かない奪い合いでボールが中盤で停滞。ともにシュートまで持ち込めないまま、時間が過ぎた。

 拮抗した展開の中、選手同士のぶつかり合いが熱を帯びる。前線でパスを受けようとするMF大津祐樹(ボルシアMG)やMF清武弘嗣(ニュルンベルク)は、韓国の選手が後方から激しいタックルでチャンスの芽をつぶされる。ただ23分、26分には立て続けにイエローカードが韓国の選手に掲示された。すると35分、大津が左サイドでパスを受けて前を向いたところに、MFク・ジャチョルが後ろからスライディング。このプレーで両選手がヒートアップ。クは「なぜファールなんだ!?」と主審に詰め寄り、清武も味方に制止されながらクに近づく。結局、主審がクにイエローカード、清武には注意を与え、緊迫した場面を収めた。

 この2分後、ついに均衡が破れる。日本がカウンターからパクにゴールを奪われたのだ。韓国陣内からのクリアボールをDF吉田麻也(VVV)が落下点を見誤って後方にそらす。これをパクに拾われ、長い距離のドリブルを許す。最後はPA内右から右足を振りぬかれ、ゴールネットを揺らされた。吉田のミスも大きかったが、ドリブルに対応したDF鈴木大輔(新潟)や戻ってきた選手が足を出さず、ズルズルと下がるだけになってしまった。ファールしてでも止める姿勢を見せてほしい場面だった。

 日本にもチャンスはあった。しかし、29分の清武のミドルシュートはGKのファインセーブに防がれる。36分には、CKからDF酒井宏樹(ハノーバー)が頭で合わすもゴール左へ。ワンチャンスを生かした相手との決定力の差を見せつけられるかたちで試合を折り返した。

早く追いつきたい日本は、後半11分、ここまで大会3得点を挙げている大津がチャンスをつくりだす。PA手前でボールを受けると、清武、MF東慶悟(大宮)とのパス交換からPA内右サイドへ侵入。思い切ってシュートを打ってもいい場面だ。ところが大津はマイナスへのクロスを選択。GKにキャッチされ、好機を逸してしまう。

 その直後、またも逆襲から追加点を奪われる。地面を叩いて悔しがる大津を横目にGKチョン・ソンリョンがロングフィード。これをパクがヘッドで前方にそらし、クが抜け出す。PA内に入ったところから右足のシュートを打たれた。鈴木が滑り込みながら足を伸ばすが間に合わず。シュートはゴール左下に吸い込まれた。

 崖っぷちに追い込まれた日本は、17分にFW杉本健勇(C大阪)、MF宇佐美貴史(ホッフェンハイム)ら前線の選手を投入。何とか反撃の糸口をつかもうと試みる。しかし、自陣に引いた韓国守備網の前にシュートまで持ち込めない。PA手前まで迫っても意表をついたミドルシュートや強引に仕掛けるドリブルがほとんど見られなかった。43分には左CKから吉田がヘディングでゴールネットを揺らすが、直前にファールがあったとして得点は認められず。宿敵に一矢報いることもできないまま、90分を終えた。

 引いて守る相手との戦いで、時には強引なプレーで、相手守備網をこじ開けることが求められる。しかし、この試合はパスワークから崩すことに固執しすぎていたように映った。守備面も同様だ。ロングボール主体の攻めには攻守の切り替えを早くする必要があるが、2失点目はチーム全体の反応が遅れていた。韓国のような相手はアジア予選で対戦し、撃破してきただけに、大一番でその経験を生かせなかったことは悔やまれる。

 今後、選手たちはそれぞれの所属クラブに戻り、海外組は新シーズン、国内組はリーグ戦に復帰する。そして、ブラジルW杯を目指すA代表へのメンバー入りを争う戦いが始まる。ロンドンで得た自信と悔しさを胸に、さらなるレベルアップを果たせるか。選手たちのサッカー人生はここからが本当のキックオフだ。