馬淵澄夫レポート

形骸化された会議、密室で進められる手続き、意味のない事業評価・・・私が改革に着手した自民党政治の悪癖を復活させてはならない!

2012年08月11日(土) 馬淵 澄夫
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 前回に続いて、政権交代時に取り組んだ公共事業改革を記したい。前回は、道路、鉄道、空港などのいわゆる交通インフラ整備の根拠となる「将来交通需要推計」が、政府の目標GDPを主要な変数要因としていることから、デフレ下でも常に右肩上がりの数値となってしまうことを明らかにした。そしてそのモデルの変更を実施したことを報告した。

 これにより、交通インフラの需要予測がより整合性のとれたものとして整理され、事業化においても「無駄の排除」が合理的になされることになる。

 そして、こうした需要推計に基づき公共事業を計画するときに行う、「事業評価」手法についても政権交代と同時に法律事項でないことから副大臣時代に着手したのだ。「事業評価」の何が問題だったのか、そしてどのような方向性で改革を推進してきたのかを記す。

1)事業の進め方と問題意識

「形骸化された国幹会議」

 平成22年4月自民党政権下で、国土開発幹線自動車道建設会議(以下「国幹会議」)が突如開催された。この国幹会議と呼ばれる会議は、法律に基づく国土交通大臣の諮問機関であり、与野党の国会議員10人と有識者10人の計20人で構成されており、高速自動車国道の新規着工区間の前提となる「整備計画」の審議をするなどの法的役割を持っている。

 平成22年4月の国幹会議開催で審議されたのは、高速自動車国道4区間71kmの新規着工、6区間190kmの4車線化着手であった。当時野党議員だった私は、ホテルオークラで行われた国幹会議の傍聴に駆け付けたのだが、そのあまりにも形骸化された審議内容には驚くばかりであった。

 会議開催直前まで一切の資料開示もなく、わずか2時間の審議の間、各委員からは様々な質問、疑義が提示されたものの、事務方からはほとんどデータの提示、説明もなく、最後は金子一義国土交通大臣(当時)が、議題は了解されたとして一方的に会議を打ち切ったのだった。傍聴していた多くの一般市民が、声を荒げ騒然となったのを今もはっきりと覚えている。

 このような形だけの会議によって、更には一切の国会の審議を経ないまま、総額2.6兆円にも上る公共事業の着手が決定されることに唖然とした。しかも有料道路であるにも関わらず、際限なく税金を投入するという「合併施行方式」の導入を前提としていることも問題だったが、その税投入について財源の目処も示されていないままであった。また驚くべきことに、この会議開催まで、多くの国会議員や国幹会議委員はおろか、関係する地方公共団体すら事業着手を知らされていないのである。

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