経済・財政
霞が関と在京大手5紙が応援する「増税法案成立」で明確になった「選挙後の大連立」目指す民自公と「反増税」中小野党の構図
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 野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁、公明党の山口那津男代表の3党党首が消費税引き上げ法案の成立と「近いうち」の衆院解散・総選挙で合意した。「近いうち」がいつなのか、与野党で憶測が広がっているが、究極的には野田の腹の中にしか答えはない。

 野田と谷垣は二人だけのサシでも会っているので、谷垣はそれなりに感触は得ているのだろう。だが、野田が約束を裏切ってしまえば、それまでである。9月の民主党代表選まで野田が解散せず、自分が代表に再選されなければ、解散権は新しい首相の手に渡ってしまう可能性もある。

 つまり、野田と谷垣、山口の間では「近いうち」に解散・総選挙で合意したとはいえ、実際に解散になるかどうかはタイミングだけでなく、政権自体の行方も含めて、まだ流動的とみるべきだ。

 それよりも、はっきりしたのは野田と谷垣、山口の3党首はいずれ近い将来にある総選挙の後、次の政権も民自公の3党で担う構えであるらしい、という点である。閣内か閣外かなど連立、連携の形はともかく、事実上の自公民連立政権を目指す意向とみて、ほぼ間違いないのではないか。

霞が関は自公民3党の連立政権であれば大歓迎

 3党は消費税引き上げと社会保障制度改革、さらに減災・防災を大義名分にした公共事業への資金配分など政策の重要課題で意見がだいたい一致している。加えて、それぞれ党内の反対意見を抑えて、衆院での内閣不信任案と参院での問責決議案の可決阻止でも一致した。

 外交防衛安保政策をめぐってはどうか。ここでも野田政権は自民党の最有力ブレーンだった森本敏拓殖大学大学院教授を防衛相に起用した時点で、自民党の政策をそのまま丸飲みすることがはっきりしていた。沖縄へのオスプレイ配備が象徴するように、鳩山由紀夫政権時代の中国を含めた東アジア重視姿勢から決別し、日米基軸路線を鮮明にしている。

 こうしてみると、内政外交の重要課題をめぐって3党はほとんど一致している。むしろ違いを見出すのが難しいほどだ。今回の3党合意は社会保障と税をめぐる合意から、さらに一歩踏み込んで、将来の連立を暗黙のうちに約束したとみるべきだ。

 実際にもし3党がまとまれば、解散・総選挙になった場合、現状では衆院で過半数を制する可能性が高い。たとえば固くみて自民党が170議席、民主党が70としても公明党を足せば、240の過半数をやすやすと超えてしまう。「自民党は200を超える」という予測もあるらしいから、そうなれば、ますます固い。

 加えて民自公3党には強力なサポート部隊がいる。それは財務省を筆頭にした霞が関だ。消費税引き上げの第1弾となる2014年4月までには必ず総選挙があるので、次の政権こそが増税断行を決める。だから財務省は次の政権も必ず増税支持政権になってもらいたい。そのためには、ポスト野田にもはや民主党政権を望めないとすれば、自公民3党の連立政権であれば大歓迎なのだ。

 3党合意に至る経過ともっともらしい数合わせで見る限り、自公民連立政権の誕生はほぼ確実のように見える。では、それ以外の展開はないのか。

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