2012.08.12(Sun) 岡田 真理

アスリートと水分補給

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〔PHOTO〕gettyimages

 前回、このコラムでアスリートの消費カロリーについて触れたが、無理して食べないと痩せてしまうほど運動量の多いアスリートにとって、水分補給もまた非常に重要である。

 アメリカの研究では、「体重の2~3%の水分を発汗で失うと有酸素性運動能力が約10%低下する」と報告されている。気温や湿度が高い環境で水分補給を怠ると、熱中症の危険性が高まるのはもちろん、持久力が低下してスポーツのパフォーマンスレベルも落ちてしまうのだ。

 体重70kgのアスリートであれば、1.4kgの水分を発汗で失う前に水分を補給する必要があるということになる。個人差もあるが、アスリートは練習や試合時の発汗でだいたい1~2kgの水分を失うといわれている。つまり、体を動かす前や動かしている間に十分な水分を補給しなければ、パフォーマンスに支障が出る可能性がきわめて高くなるということだ。

 基本的には水の摂取で構わないが、水分と同時にエネルギーの補給も行う場合は、糖質が含まれている飲料を摂取するとよいという。運動中の糖質摂取はパフォーマンスを向上させるともいわれているそうだ。その際は、糖質(もしくは炭水化物)の数値が100mlあたり4~8g、またはエネルギー量16~32kcalが目安。市販されているスポーツドリンクは、この程度の糖質もしくはエネルギー量が含まれているものが多い。

 パフォーマンスを向上させたいからといって、糖質の多量摂取は禁物である。というのも、糖質が多すぎると水分の吸収が悪くなってしまうのだ。果汁100%のジュースや炭酸飲料などは、スポーツ時の水分補給として適切ではない。

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(おかだ・まり) スポーツライター、NPO法人ベースボール・レジェンド・ファウンデーション代表。1978年生まれ。立教大学卒業後、カリフォルニア大学エクステンションにてマーケティングのディプロマを取得。帰国後はプロアスリートのマネージメントに従事し、後にライターに転身。現在はアスリートのインタビュー記事を執筆する傍ら、ベースボール・レジェンド・ファウンデーションを運営している。


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自らのカラダに細心の注意を払うトップアスリートたちは食生活にもプロフェッショナルである。アスリートにとってもそうでない人にとっても役に立つ、スポーツ選手たちの食に関するエピソードを、自らもプロ選手のマネジメントに携わった気鋭のライターが紹介する。