企業・経営
大企業が次々に撤退する「LEDの闇」をあらためて証明した上場企業の社長交代劇
〔PHOTO〕gettyimages

 「事業展開の容易なLEDには、反社会的勢力(反社)が食らいついている。早めに彼らを除去した方がいい」

 こんな家電業界関係者の情報をもとに、私がLED照明の世界を取材するようになったのは、今年1月のことである。

 実際、取材と並行して進出したばかりの大企業が、次々と撤退を表明、LED照明の「闇」の深さを証明した。

 大手鉄鋼傘下のJFEエンジニアリング、大手広告代理店傘下の電通ワークス、農業生産組織傘下の全農ハイパック・・・。

 その経緯は、「巨大組織を飲み込むLED照明の闇」と題して本コラム(4月26日付)で記した通りだが、その後も「闇」の深さを証明する事態が、次々に起きている。

「俺の顔で(付け替え作業を)なんとかしてやる」

 7月25日、ビジネスフォンなどOA関連流通のエフティコミュニケーションズ(FTC・ジャスダック)とその子会社でトナーやLED流通ののハイブリッド・サービス(HBD・ジャスダック)の社長が、一連の事業内容を精査していた第三者委員会の「調査報告書」の提出を受け、退任した。

 西村あさひ法律事務所の町田幸雄弁護士を委員長とする第三者委員会は、具体的な「背任行為」を指摘したわけではない。しかし数々の問題点について触れられたうえ、有価証券報告書提出の遅延などもあって、FTCの畔柳誠・代表取締役社長はケジメをつけざるを得なくなった。

 また、証券取引等監視委員会(証取委)は、開示調査課がFTCとHBDの一連のLED関連の取引と適時開示に問題があるとして調査に入っている。近く課徴金処分が下される見通しだ。「闇」を明るく照らし、ウミを出す作業が始まった。

 そもそもLED照明の世界に、「反社」が入りむようになったのは、「蛍光灯の付け替え作業」というビジネスの基本が、参入を容易にし、「俺の顔で(付け替え作業を)なんとかしてやる」というブローカーたちがバッコしはじめたからである。

 さらに問題だったのは、進出した大手が、「代理店」という名のブローカーを安易に使おうとして逆に使われてしまったことだ。例えば前渡金の存在である。

 LED照明の基本部品は、チップ(半導体)と電源とチューブ(管)。このうち、チップの価格が過半を占め、「注文を受けた時点で確保しなければならない」として代理店は前渡金を要求するのが慣例になっている。電通ワークスのケースでは、その割合が発注金額の50%にのぼっていた。

 その結果、どうなったか。

 「見込み発注や思惑発注が殺到し、資金繰りのために注文を出す詐欺のような代理店もあった。そんな業者が10数社、電通ワークスに群がった。120億円、80万本というバカげた注文が発生したのは、そうやって累積した赤字を、壮大に糊塗するのが目的だった」(商流に参加した代理店社長)

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