山崎元「ニュースの深層」
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福島第一原発事故のテレビ会議映像をひた隠す東京電力経営陣に疑問あり!

2012年08月08日(水) 山崎 元
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東京電力の下河辺和彦会長(左)と広瀬直己社長(右)〔PHOTO〕gettyimages

 オリンピックの期間中は、商業的に成り立つテレビや新聞にとって、「日本のメダル獲得個数」のようなニュースが、最も価値のあるニュースになることは仕方のないことだ。それでは、あまりに馬鹿馬鹿しかろうと思う読者は、「現代ビジネス」のようなメディアに接して、物を考えたらいい。

 頭ではそのように分かっているが、それでも、大手メディアのニュースの扱い方に驚くことがある。

 それは、日本新聞協会の東京電力に対する申し入れを報じるニュースだった。『朝日新聞』8月4日朝刊の第37面を開き、息子と一緒に次の一手を考えるために将棋欄を切り抜こうとした筆者は、その真上に「日本新聞協会が全面公開を要望 東電テレビ会議映像」と見出しを付けた、60行弱のいわゆるベタ記事を見つけた。

 37面というと、いわゆる「社会面」の前のページだが、この記事の位置は左下で、見出しのフォントも最小クラスだ。記事の途中に、「本社も申し入れ」、「弁護士ら声明」という小見出しが入っている。だが、このように目立たない位置と大きさで報じるには、随分重要な内容の記事だった。

情報隠匿は東京電力に何の利益ももたらさない

 記事によると、東京電力は、6日から報道関係者に「一定の制限を設けて」福島第一原発の事故を巡って、事故対応に当たった同社の幹部社員のやり取りを収めたテレビ会議の映像を公開するという。問題は、この制限の内容で、公開期間を1ヵ月に限り、視聴を(報道)各社1人に限り、録音・録画を禁じ、東電の報告書に名前が載った幹部以外の個人名の報道を禁ずるなどの規制があるという。

 これに対して、日本新聞協会は「テレビ会議の録画映像の公開は極めて公共性が高い。国民の『知る権利』に応えるため、全面公開は不可欠だ」として、制限のない全面公開を行うよう申し入れたという。

次ページ  結局、6日に公開された映像は…
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