ムカつく相手はネットで写真公開、校門前で威嚇 大津いじめ自殺事件とネット社会の病理 いじめたヤツをいじめる、この国よ

2012年08月09日(木) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 彼らは一様に興奮し、むしろ事件を楽しんでいるように聞こえました。新たな『敵』を発見して、『正義』の名のもとに集団で攻撃する。そこにはもはや、自殺した少年に対する思いや、いじめ問題に対する深い考察はない。むしろ『祭り』を楽しんでいる。

『ネット右翼』と呼ばれる彼らのような存在が、近年急増しています」

 ネット上の「祭り」は、現実世界では「デモ」という形を取る。デモ開催情報もまたあっという間に拡散し、ネット右翼を中心とした人々が参集する。

 今回の事件では、大規模なものだけで以下の5件が確認された。

●いじめ抗議大津市大・散歩・会 7月14・15日、中学校前~大津警察署

●いじめ隠蔽の撲滅を目指した市民によるデモ 7月17日、大津地方裁判所

●××中学校再生祈念OFF会 7月18日、中学校前

●いじめ厳罰化 官邸前抗議大・散歩・会 7月19日、首相官邸前

●イジメを無視する日教組教育を許さないぞ!デモ 7月22日、大阪・靱公園

 14日のデモでは、加害少年の実名と顔写真を掲載したプラカードを持っていた男性が、滋賀県警に連行される騒動も起きた。

「鬼女」と呼ばれる集団

 本誌は今回、大阪のデモを主催した女性(35歳)に話を訊いた。彼女は元在特会の会員で、ネット上では「ジェリー」のハンドルネームで知られている。

---なぜデモをしたのか。

「大津市が日教組の強い地域だと知ったからです。若者の道徳心の欠如は教育勅語を知らずに育ってきたから。いまの教育現場が許せないんです」

---今回の担任の先生は日教組なのか。

「安易に結びつけるのは危険だと自覚していますが、日教組に代表されるやる気のない教師だと思います」

---ネット上の加害者バッシングをどう思うか。

「加害者が反省していないという情報が次々上がってくるので、そりゃ許せないですよ。ただ、ネットの情報を鵜呑みにするのは危ないとは思う」

---あれもまた、新たないじめだとは思わないか。

「加害者が反省していて、罪を償うつもりがあるなら話は違うが、そうじゃないからね。親にも責任があるし、転校して同じことしているという情報もある。だからバッシングは納得です。『そこまでやらなくても』と思える人間ではないんですよ、私は」

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