[ロンドン五輪]
<第9日(4日)>競泳リレー男子とフジカキペアが銀 男子サッカーは4強

競泳リレー女子は銅

北島、集大成の力泳で銀もたらす ~競泳~

 競泳は最終日を迎え、全種目の締めくくりとして男子400メートルメドレーリレーが行われた。日本(入江陵介、北島康介、松田丈志、藤井拓郎)は3分31秒26で銀メダルに輝いた。同種目では3大会連続のメダル獲得だが、銀は初めて。今大会、日本勢は競泳で戦後最多となる11個(銀3、銅8)のメダルを量産し、好成績を収めた。

 五輪では最後になるかもしれないレースでみせた集大成の泳ぎだった。北島は、残る力のすべてを振り絞った。長年、日本の競泳界を牽引してきた第一人者の思いに後輩たちが見事に応え、最高の結果が生まれた。

 予選は全体の3位通過。同種目で7連覇中の米国は別格で、日本はオーストラリア、英国とのメダル争いが予想された。ところがフタを開けると、日本は米国と堂々のトップ争いを演じる。

 まず入江が持ち味の後半での強さを発揮し、米国に次いで2位で北島へ。北島は勢いよく飛び込むと、長年のライバルだった米国のブレンダン・ハンセンに並び、レースを引っ張る。さらにターン後はハンセンから頭ひとつリードを奪い、1位で松田に引き継いだ。リレーで記録には残らないが、100メートルの速報タイムは自己ベストを上回る58秒64。泳ぎに全盛期を彷彿とさせる伸びがあった。

「自分の役割をしっかりこなしてタケシ(松田)につなぎたかった」と語る北島へ、松田は強い決意を持ってレースに臨んでいた。
「康介さんを手ぶらで日本に帰らせるわけにいかない」

 対する米国の第3泳者はマイケル・フェルプスだ。松田はスタートから飛ばして、フェルプスに先行し、一時は半身ほどリードする。後半の50メートルはフェルプスも追い上げ、0秒26差でかわされたものの、後続を引き離して2位でアンカーの藤井につないだ。

 その藤井に北島は「いい流れだから、落ち着いていけ」と声をかける。気持ちだけが先走ると動きが悪くなり、失速する。長年、世界のトップで泳いできた男の的確なアドバイスだった。藤井は1位の米国が一気に差を広げるなか、自分を見失うことなく2位をキープ。今大会100メートル自由型銀のジェームズ・マグヌッセン(オーストラリア)から強烈な追い上げを受けながらも、そのままフィニッシュした。

 北島にとっては、このロンドンは苦しくもあり、悔しい場所だったに違いない。3大会連続2冠の可能性が高いと見られながら、優勝どころかメダルにも届かず。世界の急速なレベルアップに加え、自ら泳ぎを崩して勝負できなかった。

 そんな中、ようやくつかんだ今大会初のメダルに北島は「みんなのおかげ」と後輩たちを称えた。実は4度目の五輪で初の銀メダル。アテネ、北京で獲った4つの金メダルとは、また違った輝きがあるはずだ。五輪で数々の栄光を手にしたスイマーは、最後も強いインパクトを残し、ロンドンのプールを後にした。