[ロンドン五輪]
<第8日(3日)>アーチェリー・古川と柔道・杉本が銀 なでしこは準決勝へ

柔道男子は屈辱の金ゼロ トランポリンもメダルならず

古川、笑顔の銀! ~アーチェリー~

 アーチェリー男子個人で古川高晴(近大職)が決勝でオ・ジンヒョク(韓国)に敗れたものの、銀メダルを獲得した。今大会では女子団体(銅)に続く日本勢2個目のメダル。同種目ではアテネ五輪の山本博(銀)以来、2大会ぶり4個目のメダル(銀3、銅1)となった。

 笑顔が輝く銀メダルだった。青森東高でアーチェリーを始め、20歳でアテネ五輪に出場。今回、3度目の出場でメダルを手にした。何より研ぎ澄まされた集中力が要求される競技だ。敵は相手だけではない。この日は4メートル近い風が常に吹き渡り、矢を射るには難しいコンディションだった。

 しかし、古川は70メートル先の的を正確に射続ける。3回戦からスタートしたこの日は、まずノルウェーのバード・ネステンを下すと、準々決勝でも中心の10点圏に次々と的中。1セット、2セットに勝利して主導権を握り、難なくマレーシアのカイルルアヌアル・モハマドを破って自身初のベスト4進出を決める。

 勝てばメダルが決まる準決勝、オランダのリック・ファンデルフェンとの勝負はハイレベルな戦いとなった。1セットは引き分け、2セットは古川が10点を2本射抜いたものの、ファンデルフェンは全3射で10点をマークし、リードを許す。

 その後、1セットずつを取り合い、最終第5セットは絶対に勝利が必要な展開。しかし、古川は1射目、2射目と9点にとどまり、苦しい戦いを強いられる。ただ、対するファンデルフェンもわずかに弓が乱れ、得点が伸びない。迎えた3射目で10点をとれば、このセットをとり、シュートオフ(延長戦)にもつれこむ。

 これ以上ないプレッシャーがかかる場面でも、古川は冷静に狙いを定めた。願いを込めた矢は見事、的の中心にある10点圏へ。この結果、5セットでは決着がつかず、1射ずつのシュートオフで勝敗を決することになった。

 的の中心により近いほうに矢を当てた選手が勝利する延長戦。しかし、先攻の古川は笑っていた。そして表情を引き締め、メガネの奥からグッと的を見据えると、中心からわずかに右上の部分を射抜いた。相手にプレッシャーをかけるには充分な射だった。試合を決めるファンデルフェンの矢は中心から左に外れ、古川の決勝進出が決定した。

 決勝も勝てば、日本にとっては史上初の金メダル獲得だ。快挙へ向かって対戦したのは昨年の世界選手権2位のオ・ジンヒョク(韓国)。韓国勢は今大会こそ団体優勝を逃したが、シドニーから北京まで3連覇を達成しており、レベルが高い。古川は伸び伸びと弓を引くが、1セット、2セットとなかなか10点を記録できず、いずれもオがモノにする。

 3セット目は1射目、2射目と10点に当ててリードするが、相手も3射目で10点を記録して引き分け。4セット目は8点圏に外してしまう射もあり、オの最終3射目を前に力尽きた。

 金には届かなかったが、表彰式で古川は満面の笑みをみせた。今大会、日本は男女それぞれでメダルを獲得。まだまだマイナーの部類に入る競技だけに、今後の普及において最高の一矢を放った五輪になった。