債券王ビル・グロース氏の「株式の死亡宣告書」は、私が謹んで破り捨てます!
債権王ビル・グロース氏〔PHOTO〕gettyimages

 アメリカの債券王ビル・グロース氏が投資レターの中で「株式の死亡宣告書」を書くべき時期が来たとして、業界で話題になっています。株式などの金融資産からはもはやリターンが生まれない、と。

 ビル・グロース氏は決していい加減な人物ではなく、非常に尊敬もされているし、深い知識と教養を持った金融マンで、彼の過去の予想は数多く当たってきています。彼の投資レターの読者は多く、非常に影響があるわけです。だから今回の「株式の死亡宣告書」のインパクトは非常に大きく、市場関係者の中ではそれなりに重く受け止められています。

 1979年、アメリカの『ビジネスウィーク』誌が「株式の死」という大特集を組みました。ほぼ30年後の今年8月、ビル・グロース氏は同じような「死亡宣告」をすることになったわけです。ところが1979年の「株式の死」特集の後、アメリカの株式市場は大反発しました。今回もそのようなことが起きるのでしょうか? ジャーナリストの予想は得てして外れがちなのですが、今回は大投資家ビル・グロース氏の予想なので、市場も簡単には反転しない可能性があります。

 私たちがひふみ投信をスタートしたのが2008年10月1日。その時のTOPIXは1,087.41円でした。そして、今、2012年8月3日のTOPIX終値は723.94円。33.4%下落しています。ところがひふみ投信の本日の基準価格は13,056円。設定来30.6%のプラスになりました。

 大事なのは日経平均指数やTOPIXなどの動きではなく、個別企業の動きです。森をみても木の一つ一つは違うので、森の動きだけで語りつくすことができないということです。

今期最高益を更新する会社は200社以上

 大和証券は最新のレポートで、2002年7月末から2012年の7月末の株式市場の動向を詳細に調べています。この10年間でTOPIXは23.7%も下落していますが、東証2部指数はなんと+24.1%になっています。TOPIXの時価総額のもっとも大きい30銘柄で構成されるCORE30は10年間で44.7%も下がっています。しかし同期間で47%の会社の株式がプラスになっています。そして株価が2倍以上になった企業は311社も存在するのです。大きな会社ほどダメだったということなんですね。

 "失われた10年"と言っても、成長した会社はたくさんあるし、個別で見れば株価も必ずしもダメだったわけではないんです。今期最高益の更新を予想している会社は200社以上あります。

 「株式の死亡宣告」は確かに「大型株の株式指数」に限っていえばそうなのでしょうが、個別企業で見るとまだまだ生きているんです。いや、生きているどころか、ヤバいくらいに絶好調な会社もたくさんある。

 嘘だと思ったら、夏号の四季報を読んでみてください。「増収増益」「史上最高益」「絶好調」などの文字がたくさん出てきます。そのような会社はまだ小さいか、新聞や雑誌に広告をたくさん載せていないので無視されているか、そもそも会社のサイズが小さくて記者に発見されていないだけなのかもしれません。

 そのような会社は本当にたくさんあります。そのような会社はこの10年間で社員の給料もポストも増えています。そして当然、株式も絶好調なのです。確かにソニーやシャープの株は下がっていますが、こんな時期にも史上最高の株価をたたき出している会社がたくさんあるんです。

 ひふみ投信に組み入れている、パーク24、ジェイアイエヌ、JPホールディングス、ポーラオルビスホールディングス、コシダカホールディングスなどみなさん御存じでしょうか。もしご存知なかったら、それぞれ四季報で調べてみてください。安定的に成長をしている会社が本当にたくさんあるんです。

 そのような会社の特長は以下の通りです。

●私たちの生活を快適で楽しいものにすることに貢献をしている
●10年後にも必要であり続ける
●その会社ならではの強みがある
●進化し続けるDNAがある
●高い理想に基づく明確なビジョンがある

 これらの特長があり、過去3年程度安定的に利益を伸ばしていて、競合が少なく、有名な会社でなければ(有名な企業だったらすでに株価が割高な可能性もある)、きっとよいリターンを出すことができるでしょう。

 日経平均指数やTOPIXは死んでいても、まだ株式は死んでいない、と私は思います。なぜなら、日本の企業の多くはいまなお生きていて、かつ元気で、成長しています。それが続いている限り私たちの挑戦は終わりませんし、結果を出し続けることができると信じています。

 だからビル・グロース氏の「株式の死亡宣告書」は日本においては私がここできれいに破り捨てたいと思います。

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