最後の球団に選んだのは名門ヤンキース
イチロー「同僚にも知らせなかった〝電撃トレード〟の全真相」

マリナーズとの初戦で初打席初安打、初盗塁を決めた後、三塁へ激走する。'07年11月のスポーツ紙の取材で去就を聞かれ、すでに「自分も他人も納得できるのはヤンキースしかない」と答えていた〔PHOTO〕AP/アフロ

 イチロー(38)のヤンキースへの〝電撃トレード〟という衝撃のニュースが流れたのは、日本時間7月24日の早朝だ。

 イチローの代理人トニー・アタナシオ氏が、マリナーズのジャック・ズレンシックGMから本拠地セーフコフィールドに呼び出されたのは、その2週間ほど前。7月11日に行われた、オールスター戦の直前のことである。GMの部屋に通されたアタナシオ氏に伝えられたのが、名門ヤンキースから届いたイチローを獲得したいという申し出だ。だがGMの口から出た移籍の条件は、'10年まで10年連続でシーズン200本安打という偉業を達成したイチローには、見合わないものだった。マイナーの若手2投手プラス金銭のトレード---。イチローはメジャーで10年以上かつ同一球団で5年以上プレーしているため、トレードの拒否権を持っている。アタナシオ氏がこの条件を伝えると、イチローは短くこう答えたという。

「少しだけ考えさせてほしい」

 だが不釣り合いな条件でも、彼の気持ちは揺るがなかった。翌日には申し出を受ける意思をアタナシオ氏に伝え、ヤンキースへのトレードが実現する---。

 イチローが引退を意識するようになったのは、昨年のシーズン中からだろう。視力が衰え選球眼が落ち、ボール球に手を出してしまう光景が目立った。

「イチローは視力を大切にし、ほとんど本を読みません。そんな彼が昨年からクラブハウスで、目を細めてテレビ画面を見ている姿をよく見かけるようになりました。目を細めないと、画面がよく見えないのでしょう」(在米カメラマン)