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無残に弾けた米国のソーシャル・バブル

〔PHOTO〕gettyimages

 米国では先週、インターネット関連企業の決算報告が相次いだ。中でも一際注目を浴びたのが、今年5月にIPO(株式公開)を果たしてから初の四半期決算となるフェイスブック。そして、これと共生する格好で急成長を遂げてきたソーシャル・ゲーム企業のジンガだ。結果から言うと、両社とも「期待外れ」というより、事前の予想通り冴えない業績に終わり、共に株価は大きく値下がりした。

 フェイスブックの株価はIPO時の公募価格から4割近く下げ、ジンガは同じく7割近く下げている。他にはネットを使った共同購入型クーポン企業、グルーポンなども公募価格を大きく下回る値動きが続いている。

 これを受け、先週末のニューヨーク・タイムズやウォールストリート・ジャーナルなど主要メディアでは「米国のソーシャル・バブルは無残に弾けた」という論調が優勢となっている。

株式時価総額と実力の乖離があらわに

 もっともフェイスブックの四半期業績はそれほど悪くなかった。確かに全体の決算では1億5,700万ドルの純損失を計上したが、その大半は上場に伴う「株式報酬費(Stock Compensation)」と呼ばれる一時的支出によるもので、広告を中心とする本業では2億9,500万ドルの黒字を達成した。これは業界アナリストらの事前予想とほぼ合致する値であったという。

 ただし問題は、同社株式の時価総額と実力との乖離にある。5月の上場時、フェイスブックの株式時価総額は一時的に1,000億ドル(約8兆円)に達した。その後の株価の下落に伴い、フェイスブックの評価額は落ちてきてはいるものの、それでも今回公表された程度の業績では、天文学的に膨れ上がった企業価値を維持することはできない。

 フェイスブックの持つ最大のビジネス資産は、今や全世界で10億人に達しようかというユーザーが提供する膨大な個人情報である。これをAI(人工知能)など科学的な手法で分析して、個々のユーザーにマッチしたターゲット広告の精度を上げる、あるいは「ソーシャル・グラフ」とよばれるサイバー・ネットワークを介して音楽や映像、ゲームなどのコンテンツを販売する。

 これがフェイスブック幹部の思い描く、今後の成長への青写真だが、それを実現するための各種方策はいまだ試行錯誤の段階にある。特に成長著しいスマートフォンなどモバイル・ビジネスが、フェイスブックの最大の弱点とされている。今回の決算報告でも、そうした状況を打開する具体策が提示されなかったため、市場に罰せられた形となってしまった。

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