スポーツ

[虎四ミーティング]
山本博(アーチェリー)<後編>「アーチェリーを“撃ち合い”に!?」

2012年07月27日(金) スポーツコミュニケーションズ

二宮: 2004年アテネ五輪で41歳の山本さんは5大会ぶりのメダルとなる銀メダルを獲得しました。アテネでの活躍によって、アーチェリーという競技の認知度も高くなったのではないでしょうか?
山本: 確かにアーチェリーがどんな競技かということは、知ってもらえるようになるきっかけになったとは思いますが、人気が上がったかというと、そうでもないんですよ。

二宮: 山本さんを観に来る人も結構いたのでは?
山本: 国内最高峰の全日本選手権でさえも、入場料は無料だというのに、ほとんど観客は入りません。あまり、僕も観たいと思わないですから(笑)。

二宮: エッ!?  それはどうして?
山本: アーチェリーでは選手が放った矢が、220~230キロの猛スピードで飛んでいくんです。その矢が70メートル先の標的のどの点数のところに当たったのか、観客にはほとんど詳細はわかりません。ですから、「おぉ! 満点だ!」とか「あ、惜しい!」というような感想が出てこないんです。ですから、僕が大会に行っても、自分のところの学生が残っていなければ、観たいとは思いませんよ。もちろん、僕自身が競技者ですから、選手たちが大変なことをやっているということはわかります。でも、結局は観ていてわかるのは単に打ち方の良し悪しくらい。それでは、何の感情も湧いてきません。

二宮: なるほど。矢が的に刺さった瞬間に点数がわからなければ、確かに観客への感動は伝わりにくい。
山本: はい。スポーツって何でもそうだと思いますよ。例えば、野球だったら、ピッチャーが剛速球を投げて、その球をバッターが打ち返したり、三振したりするから、ピッチングやバッティングの凄さがわかるわけです。ところが、アーチェリーは撃った矢が、どこに刺さったかわからないまま終わってしまうわけですから。ゴルフボールが遠くに飛んで行って、「どこに行った?」といったまま終わってしまうのと同じです。私見を述べれば、アーチェリーはスポーツとしての完成度において現代には合っていないんです。

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