JAL再上場で公的資金3500億円が倍になって返ってくるのは喜ばしいが、V字回復直前の「第三者割当増資」の経緯を明らかにすべきだ
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 JAL(日本航空)が、今年9月にも再上場する。日本経済にとっては朗報だが、見逃せない問題もある。

 昨年3月15日に同社が行った第三者割当増資に関するものだ。この日、1株2,000円で127億円分が8社に割り当てられた。その直後の3月28日、JALは会社更生手続きを終了、一般事業会社になり、再上場を視野に入れることができるようになった。

 今回、業績のV字回復によって上場すれば、大きな利益を得ることは確実だ。ではなぜ8社は、どうしてそれが可能だったのか。

第三者割当増資の経緯とは

 そもそも、経営破綻したJALが会社更生法の適用を申請したのは2010年1月。その後、同社はさまざまな公的支援を受けた。まず、株主は100%減資、金融機関は5,200億円の債権を放棄させられた。一方で、企業再生支援機構からの3,500億円の公的資金注入。倒産で発生した9,000億円の負債は利益と相殺され、約4,000億円の法人税が、今後、9年間にわたって免除される。不採算路線を廃止する一方で、採算性の高い基幹路線は維持を許された。

 もちろん公的な支援を受けていないANA(全日空)との公正な競争が担保されなければならないことは、いうまでもない。ともあれ、3,500億円の企業再生支援機構からの出資が、約7,000億円と見積もられる売り出し総額によって、倍になって戻ってくるのは、国民的には喜ばしいことだ。

 ただ、ここで冒頭に話は戻る。そのV字回復が進む微妙な時期に、「127億円の第三者割当増資」について、誰が、どのような経緯で決めたのか。

 JALは、「守秘義務」を理由に、増資に応じた企業名を明かしていない。しかし、京セラが50億円、大和証券グループ本社が50億円、ほかにJTB、阪急交通社、損害保険ジャパンなど6社が残り27億円を引き受けたのは周知の事実となっている。

 増資を引き受けたメンバーは、すでにJALが更生手続きを終え、再上場が視野に入ることを知っていた。それは、自民党の国土交通部会に呼ばれた企業再生支援機構の幹部が証言していることでも明らかだ。つまり、引き受けメンバーは、値上がり確実な株だと知っていたことになるのではないか---こうした批判が、再上場が決定してからマスコミなどにも出ている。

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