国会は本当に国民の声を代表しているか!? 民主・自民ともにお蔵入りを望む国会事故調「7つの提言」
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 国会に設置された東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)がまとめた提言が、棚上げされたままお蔵入りする可能性が強まっている。国会事故調は7月5日に、衆参両院議長に640ページに及ぶ報告書を提出、その中で、国会に原子力規制機関を監視するための常設委員会の設置など、7項目にわたる「提言」を盛り込んだ。

 国会の下に民間人による調査委員会を設置したのは、憲政史上初の試みだったが、それだけに、その報告書をどう扱うかといった規定も慣行もない。国会の機能を劇的に変えると期待された試みだったが、玉を投げ返された国会の動きは鈍い。

 東京電力福島第一原発の事故については、政府や東京電力なども、それぞれ事故調査委員会を立ち上げ、報告書をまとめている。しかし、政府や東電はあくまで当事者であることから、独立した組織として作られた国会事故調の報告書が注目されていた。

過去の自民党の政策決定責任もヤリ玉に

 国会事故調は昨年末に与野党の賛成により法案が成立、委員の人選や事務局スタッフの公募を行い、まったく新しい時限的な組織として作られた。法律ではおおむね6ヵ月以内に報告書をまとめることとされたため、委員会は報告書を両院議長に提出した段階で解散した。

 のべ1167人に900時間を超えるヒアリングを行ったほか、東京電力や各省庁などに資料提出なども求めた。こうした資料の保管や今後の扱いについても法律に定めがないため、事務局の一部が存続し、今後の対応に備えている。つまり、報告書の扱いも、報告書をまとめるための資料の扱いも、両院議長に委ねられているわけだ。

 といっても議長が独断で決められるわけではない。議院運営委員会で取り扱いが議論されるのが筋なのだが、一向に進む気配がない。国会事故調の設置では与野党各党が合意した。政府の事故調では不十分とする野党側の主張に、与党も理解を示した結果だった。ところが、報告書の提言をどう扱うかとなると、なかなか与野党の溝が埋まらないのだ。

 目先の国会では消費税増税を盛り込んだ税・社会保障一体改革関連法案の扱いが最大の焦点になっている。そんな中で国会事故調の報告書の扱いに関心を示す議員はごく少数だという事情もある。だが、最大の問題は報告書の中味だというのだ。

「福島原子力発電所事故は終わっていない」という書き出しで始まる報告書は、「この事故が"人災"であることは明らか」だと結論付けている。当時の菅直人首相の行動に対しても、官邸の過剰介入だとして他の報告書に比べて厳しい筆致で書かれている。報告書が出た直後、菅氏は「首相官邸の事故対応に対する評価や東電の撤退をめぐる問題など、いくつかの点について私の理解と異なるところがある」とする文書を発表。内容に不満を示した。

 そんな、菅氏に厳しい報告書に対して、民主党が背を向けているというのだ。それが「議院運営委員会でで民主党が動かない本当の理由」(民主党議員)という。

 では一方の自民党はどうかと言うと、こちらも腰が引けているという。報告書が示している「人災」の責任の所在として、事業者である東京電力などと並べて「歴代及び当時の政府、規制当局」といった表現がある。つまり、原発を推進してきた自民党政府の責任も問うているわけだ。

 この報告書を受けて、国会の中で議論が行われれば、過去の自民党の政策決定責任もヤリ玉に上がりかねない、という危惧が生じている、というのだ。つまり、民主党も自民党も報告書をお蔵入りさせたいと本音では思っているというのである。

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