「脱テレビ」ブームにのって伸びるスマートテレビの皮肉

いまやネット放送がテレビの普及を支えている〔PHOTO〕gettyimages

 スマートテレビにはインターネット放送が欠かせない---そんなレポートが米国の調査会社Harris Interactive社から発表された。

「Netflix and YouTube are Must Have Apps for Smart TV Owners」

 米国市場では液晶やプラズマなどの薄型大画面テレビ・ブームが一段落し、次期商品として期待されていた3Dテレビは伸び悩んでいる。テレビ視聴者の8割以上を押さえるCATVや衛星放送業界は3D放送を棚上げにして、脱テレビ・ブームを背景にタブレットや携帯への番組配信に力を入れている。

 そうした中、スマートテレビが着実にシェアーを伸ばし、注目を浴びている。ネット・ユーザーに悩むテレビ・メーカーに取って、スマートテレビは救世主となれるのだろうか。

スマートテレビにNetflixは必需品

 ブラウザー機能を搭載したスマートテレビは、ブロードバンドに繋いで様々なネット・コンテンツを楽しむことができる。テレビへのネット機能搭載は日本メーカーが最初の流れをつくったが、現在では韓国メーカーがトレンド・リーダーとなっている。

 たとえば、韓国のサムスン電子は、Smart Hubという名称で自社スマートテレビ向けに専用コンテンツを提供している。このサービスは、米国の大手出版社や新聞社、通信社などと提携してニュースや雑誌記事などをブラウザーで閲覧できるものだ。Smart Hubは、アップルのiTunesストアーをテレビ・ビジネスに展開するこころみと考えられて入れている。

 しかし、Harris社のレポートを見ると、視聴者はこうした専用コンテンツにこだわっている風でもない。逆に、NetflixやYouTubeといったポピュラーなインターネット放送がスマートテレビの普及を後押ししている---と同報告書は示唆している。まず、同レポートの興味深い数字をご紹介しよう。

 12年5月に実施された同調査は、無作為に抽出した米国市民2,634人(18才以上)を対象としている。

 もっとも興味深いのは、スマートテレビに『どうしても必要なアプリケーション』という項目だ。トップはオンライン・ビデオ配信のNetflix(利用率47%)で、2位は投稿ビデオのYouTube(44%)。3位はSNSのフェイスブック(35%)だが、4位にはふたたびAmazon Video(34%)が入り、5位がネット・ミュージック・ボックスのPandora(28%)となっている。

 また、Netflixと並んで人気が高いオンライン配信サイトのHulu+は、スポーツ専門チャンネルのESPNオンラインと同率6位(21%)となっている。このように、スマートテレビ必須アプリの上位は、ずらりとネット・ビデオで占められている。

 ちなみに、同調査では若年(18~35才)、壮年(36~47)、熟年(48才以上)という世代別でも分析しているが、トップグループの順位にほとんど変化はない。唯一の違いは、若年層で1位と2位が入れ替わっている程度だ。つまり、スマートテレビの視聴者は、新聞や雑誌の記事などには関心がなく、ネット・ビデオや音楽に期待していることが良く分かる。

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