ユーロ全面安もさらに下値余地。ユーロ圏の姿が今後、急速に変わる可能性も高まってきた
ドイツ・フランクフルトの欧州中央銀行(ECB)本部〔PHOTO〕gettyimages

 足許でユーロが売り込まれている。7月20日のニューヨーク市場で、ユーロ/円レートしては、11年ぶりの安値である1ユーロ=95円34銭を付けた。また、ユーロ/ドルのレートも、1ユーロ=1.2143ドルまで下落し約2年ぶりの安値水準となった。さらに、豪ドルやカナダドルのどの通貨に対してもユーロが弱含みとなっており、ユーロは全面安の展開となっている。

 今回のユーロ下落の背景には、スペインのバレンシア州が事実上の財政破たんに瀕し、スペイン政府の支援を要請するとの報道が広がったことに加えて、スペイン国債が大きく売り込まれ流通利回りが上昇したことがある。

 金融市場の専門家の間では、ユーロは今後も弱含みの展開になる可能性が高い、との見方が有力だ。ヘッジファンドなどの投機筋が、多額の売り持ち=ショートポジションを抱えているため、一直線に下落することは考えにくいものの、現在のギリシャやスペインなどの状況を考えると、まだ下落余地はあると考えた方が良いだろう。

スペインは一段と厳しい状況

 6月末のユーロ首脳会談で、スペインの金融機関向け1,000億ユーロの支援策が決められたにもかかわらず、スペイン問題の解決に向けた道筋は一向に見えてこない。むしろ、バレンシア州の支援要請を見ても、地方自治体の財政状況は一段と悪化しており、それがスペイン全体の問題をさらに深刻なものにしている。

 当初から指摘されてきた、金融機関の経営状況悪化の問題にも目立った改善は見られない。ユーロ首脳会談で一応の支援策は決まったものの、それが実施されるには未だ時間が掛かる。そうこうしている間にも、不良債権の額は増加するはずだ。果たして、金融市場がそうした状況を容認してくれるだろうか。

 スペイン政府の経済予測も下方修正されており、同国の経済状況は今後さらに悪化することになるだろう。スペイン国債を保有する投資家は、このような状況を見て、保有する国債の売却に走る可能性が高い。スペイン情勢は予断を許さない。

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