町田徹「ニュースの深層」
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「発送電分離」改革は「所有分離」見送りで早くも骨抜きに! 歴史的な電力行政の失敗にもかかわらず何も変わらない経済産業省の愚

2012年07月24日(火) 町田 徹
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 やはり長年の電力会社との癒着体質は経ち難いのだろうか---。

 東日本大震災で欠陥が露呈した電力制度の見直し問題で、はしゃいでいるのは、枝野幸男経済産業大臣ぐらい。経済産業省の官僚たちは原子力発電所の運転再開論議で見せるような“やる気”を見せなかった。

 それどころか、震災から1年4ヵ月が経った今月13日、経済産業省の総合資源エネルギー調査会は、電力改革の青写真となる「電力システム改革の基本方針」を大筋決定したものの、その内容は骨抜きと実効性への疑問が目立つ内容にとどまった。

 本来なら電力の大改革のスタートにもかかわらず、電力会社の発電部門と送配電部門を切り離す「発送電分離」問題で、最大の効果が期待できる「所有分離」をあっさりと先送りした。加えて、過去4回の見直しで放置されてきた「家庭」を含む「小売りの全面自由化」は一応盛り込まれたものの、逃げ道が多く、実効性に大きな疑問符が付いた格好だ。

電力は壮大な装置産業

「なお、中立性を実現する最もわかりやすい形態として所有分離があり得るが、これについては将来的検討課題とする」

 「発送電分離」に関するこの一文が、今回の報告書「電力システム改革の基本方針」の性格を最も端的に表しているのではないだろうか。報告書がホームぺージに掲載されたのも、総合資源エネルギー調査会の電力システム改革専門委員会の開催から5日も遅れてのこと。本稿執筆段階(7月21日)まで、議事録も公開されていない。

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