消費増税、原発再稼動、オスプレイ・・・難題を前に内部崩壊が進む民主党。8月はまた政局に!
熱を帯びる首相官邸前の抗議行動〔PHOTO〕gettyimages

 政治から躍動感が失われている。自公民三党の談合でまとまった消費税増税と社会保障改革の法案審議が参議院で行われているが、政府のみならず、三党の代表が答弁席に立っている。そして、それが審議から緊張感を奪い、間延びした委員会となっている。巷には、政治への不信感と諦めの感情が蔓延している。活気があるのは、毎週金曜日の夕方に首相官邸前で行われる反原発のデモくらいである。

 そして、そのデモに、今週は鳩山由起夫元総理も出席してマイクを握っている。民主党にとどまりながらのこの行動は、国民の共感をよぶものではなかろう。この常人の理解を超えた「宇宙人」よりは、大飯原発の再稼働に反対して離党した参院の三人の女性参議院議員のほうが、筋が通っている。先週は、さらに中津川代議士も離党している。民主党の内部崩壊は今後も続くであろう。

 皮肉なことに、民主党からの離党予備軍を党に引き留めているのは、総選挙が近いという観測である。鳩山由起夫氏に対しては、自民党が元スケート選手で現道議の堀井学氏を対抗馬に立てることを決めているし、新党大地・真民主も松山千春氏を刺客として送り込む意向のようだ。伝統的に、旧社会党の金城湯池であり、労働組合が強い北海道で、連合の組織的支援は鳩山再選には不可欠である。それが由起夫氏が簡単に民主党を飛び出すことができない理由の一つである。

 しかし、鳩山由起夫氏のような例だけではない。小沢氏と共に民主党を離党し、「国民の生活が第一」を結成した議員たちの中には、選挙基盤が弱く、民主党ブランドでは勝ち残れない者が多数いる。民主党では敗戦が確実ならば、一か八かで新党に賭けようという議員心理はよくわかる。

オスプレイ配備問題も争点に

 消費税増税、大飯原発再稼働に対する反対意見の高まりに加えて、オスプレイの配備に沖縄や岩国の反発が強まっている。オスプレイの配備によって沖縄に駐留する米海兵隊の行動範囲は4倍に拡大し、一朝有事の際には有効な機動力が発揮される。

 しかし、問題は事故の多さである。新型軍用機の事故率の単純な比較では、他の機種に比べて有意に多いとは言えないが、事故の原因分析がまだ不十分である疑いはある。垂直飛行と水平飛行の両機能を持つことに、技術的な無理があるのではないか。両機能の転換時に多くの事故が発生していることを考えれば、さらなる説明が求められよう。

 岩国市が存在する山口県では知事選挙が始まった。原発とともにオスプレイ配備問題も大きな争点である。4人の候補が争う激戦であるが、結果については、予断は許されない状態である。29日の投票結果によっては、野田政権はさらなる苦境に陥るかもしれない。

 オスプレイ配備については、政権内部からも、たとえば前原政調会長のように、批判的な意見も出てきている。いつもの前原氏の"ぶれ"なのか。それもどうかと思うが、しかし、アメリカの決定には異議を差し挟めないという野田首相の見解もまた噴飯ものである。この人は、どこの国の内閣総理大臣なのか。

 沖縄の普天間基地移転問題もまた同様である。森本防衛大臣のように、日米安保条約をすべての説明要因に使うのなら、沖縄県民の心は閉ざされたままであろう。防衛相が民間人ではなく政治家であることが必要なのは、沖縄の人々の心を掴む努力が不可欠だからである。

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