なぜ関西電力は大飯再稼働後に今夏の電力需給見通しを「改訂」したのか

「関電、大飯再稼働なくても電力供給に余力」

 えっと思うような記事が、7月18日の中日新聞に出ていた。ところが、その記事はネット上からすぐに消えてしまった。リンク先では「お探しのページが見つかりませんでした」とあり、「中日新聞のWebの記事の掲載期間は速報ニュース記事は1週間、その他は1カ月が目安となっています」とあるのに、どうしたのだろうか。

 この記事の問題意識そのものはよくわかる。ただ、ネット上では、この記事に賛否が出ていた。記事に無批判に賛同するモノから、記事に異論があるというものまであった。筆者として、書いた記者の気持ちはわかるが、記事中で16日まで関電の電力需給状況の図をわざわざ掲げて、原発なしで対応可能だったと主張していたのはやや勇み足に感じた。

 この記事の論法にはやや無理がある。夏の需要ピークは8月なので7月で大丈夫でも何の安心にもならないからだ。今の段階で結論をつけるのはなかなか苦しい。そもそも、大飯原発再稼働の議論では、電力需給というより、再稼働を閣僚だけで決めたりした手続きこそ問題にすべきだあろう。

基本的なデータに基づいていない議論

 もっとも、記事に対しする「18日の記事なのに、猛暑だった17日を抜かして都合のいい記事にしている」といった指摘には容易に反論できる。この類の話は、「でんき予報」が出るようになった現在(昨年の東日本震災直後にはなかった。昨年3月21日付け本コラムで提言)、関電のでんき予報のページから需給データが入手できる。

 たとえば本稿執筆時(22日)には、21日までの1時間おきの需給データ取得できる。そこから日中の最大需要をとれば、以下の図のようになる。ちなみに、供給についても、総計と原子力ぬきのものを取り出している(なお、揚水については、原子力とセットという考えもあるが、直近で原子力なしのときでも、再稼働後の最大を超えていたので、そのままにしている)。

 新聞記事もネット上の議論も、こうした基本的なデータに基づかないものが多い。今ではこうしたデータが入手可能なのだから、どんどん参照したらいい。

 いずれにしても、今までのところ大飯を再稼働していなくてもおそらく問題なかっただろう。しかし、現時点で本来問題にすべきなのは、大飯再稼働に伴う関電の態度の変化であろう。

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