いまや「日本の教育を選ばない」という選択肢を考えるべき時代。自滅への道を進む日本の大学の問題点

 これまで二回にわたり、エリート教育そしてボトムアップ教育の双方について、日本の大学の問題点に焦点を当ててきた。最終回となる今回は、未来を感じさせる話としたい。日本中の全大学を見てきた大学研究家、山内大地さんに「期待を感じさせる大学」について聞いてみた。

---山内さんから見て、「これは、いい教育してるな」と思わせる大学はどこですか?

大学研究家の山内太地氏

 うーん、いろんな意味でいくつかありますが、まずは産業能率大学ですね。経営学部は偏差値50台。しかし、教育内容がおもしろいのです。講義の半分くらいがプロジェクトベースなのです。

「自由が丘でショップを経営してみよう」、「芸術家をどうやって売り出すか?」とか、面白く実践的なグループワークのプロジェクトを多くやっています。そして学生が「経営っておもしろいな」と思った後に、ちゃんと座学として経営学を教えています。理論と実践をバランスよく教えているのです。

---なぜ産能大はそんなことができるのでしょうか?

 実務家が多いからです。教授の60%が企業出身者だからなんです。ビジネス界出身で顧客ニーズをわかっている教員たちが多いので、中堅校の学生に向いた教育もわかっているんです。結果として、就職率も悪くありません。

全課程英語プログラムの功罪

---グローバル教育に対応している事例はどうですか? 話題の秋田国際大学とかは?

 秋田国際教養大はトップエリート教育ですね。受験の難易度で言えば、東北大、いや東大並みといってもいいですね。

 そこまでいかなくても、おススメは宮崎国際大学です。偏差値50以下ですが、授業は全部英語でやっていておもしろいです。ただ、なぜか定員割れ。理由は宮崎にあるからではないでしょうか。

 多摩大学のグローバルスタディズ学部もおもしろいですね。今、元三井物産の寺島実朗さんが学長をやっていらっしゃいます。ここも偏差値50以下。しかし、全部英語で授業をやっています。特にいいのは、英語ができない学生たちのために、ちゃんと補習があるところです。

 ただ、せっかくいい教育をやっているのに、これらの大学はそこまで就職率がよくありません。なぜなら留年や中退が多いからだと思います。

---やはり全部英語でやるのはな消化不良になってしまうのでしょうか?

 正直、今の子供たちに厳しい教育を施すことは難しいのだと思います。日本では中退や留年をしてしまうと今の時代、正社員になるのが非常に難しい。だから大学側は就職率を気にして厳しい教育ができないことがあると思います。

  「内定取っちゃったんで単位足りてませんけど卒業させてください」というのが就職前の日本の大学の風物詩。最終的には教授が折れてしまうんです。その背景にはモンスターペアレントの恐怖があります。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら