野田首相の胃袋に重くのしかかる4本目の串刺し---垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機の行方
〔PHOTO〕gettyimages

 野田佳彦首相率いる民主党政権は、「消費税増税」「原発再稼動」「尖閣諸島購入」に続いて「オスプレイ配備」で炎上しつつある---。

 7月8日午後、東京・飯倉にある外務省飯倉公館で玄葉光一郎外相とヒラリー・クリントン米国務長官との日米外相会談が開催された。

 日本側出席者は、玄葉外相以下、藤崎一郎駐米大使、伊原隆一北米局長、松富重夫中東アフリカ局長、横井裕外務報道官、秋葉剛男北米局参事官、吉田朋之同局北米第一課長。米側出席者は、クリントン国務長官以下、ルース駐日大使、キャンベル国務次官補(東アジア太平洋担当)、ヌーランド国務省報道官、ラッセル国家安全保障会議(NSC)アジア担当上級部長、ナッパー国務省東アジア太平洋局日本部長。

 日米外相会談では、玄葉外相から宇宙とサイバー分野における日米協力についての言及があったが、主たるテーマの一つが米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機の普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)配備計画についてであった。米側はこれまでに、沖縄配備に先立ち、7月23日にも米軍岩国基地(山口県岩国市)に搬入する方針を明らかにしている。

「沖縄、山口の民意を軽く考えすぎている」

 野田佳彦首相は16日夕方のフジテレビのニュース番組に生出演し、「配備自体は米政府の方針だ」と語り、拒否できないとの考えを表明した。そして翌日17日午後、官邸で藤村修官房長官、玄葉外相、森本敏防衛相と協議、日本政府として安全性の再確認をする方針で一致した。

 ところが前原誠司民主党政調会長は、同日の政調会役員会後の記者会見で「野田首相も藤村官房長官も沖縄、山口の民意を軽く考えすぎている。見通しが甘いと言わざるを得ない」と、首相批判を行なったのだ。同氏は翌日も名古屋市内での講演で「国民が大きな納得感を得られるように日米両国で努力し汗をかいてもらいたい」と、配備の再検討を求めたのだ。

 小沢一郎元代表の離党・新党結成後、前原氏が9月の民主党代表選に関して野田氏再選支持を明らかにしていただけに、突然の前原発言は政権・与党内に大きなハレーションを引き起こした。

 曰く、前原氏は野田首相に見切りをつけて代表選出馬の意向を固めた。曰く、玄葉外相主導の日米交渉にくさびを打ち込んだ。曰く、12日に告示した山口県知事選(29日投開票)を巡り民主党が分裂状態にあることへの危機感の表れだ、等である。

 同知事選には自民、公明両党推薦の山本繁太郎元国土交通省審議官、反原発の理論的リーダーの飯田哲也NPO代表、元民主党衆院議員の高邑勉氏が立候補している。安倍晋三元首相のお膝元「自民党王国・山口」の知事選は、早くから現職の二井関成知事の後継指名を得て立候補表明していた山本氏の楽勝と見られていた。

 そこに橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)のブレーンとして知られた飯田氏が後出しジャンケンよろしく立候補を表明、関西電力の大飯原発再起動問題を争点に山本氏に挑んだことから選挙戦の展開が変わった。加えて、オスプレイの岩国基地搬入問題が浮上したのだ。

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