経済の死角

消費増税騒動のドサクサにマニフェスト無視の「コンクリート」回帰
長崎新幹線 28分短縮に5000億円で喜ぶ人

2012年07月21日(土) フライデー
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長崎県東彼杵郡にたたずむ工事中の橋脚。ウソつき民主党の象徴「八ッ場ダム」をどこか彷彿とさせる姿だ〔PHOTO〕繁昌良司(以下同)

「民主党政権には、一度決まった巨大プロジェクトを覆すだけの『足腰の強さ』がなかったのです。土建業者を敵に回してまで撤回するというのは、大変なエネルギーと足腰の強さが必要ですから」

そもそも長崎新幹線の計画が持ち上がったのは'73年。「40年越しの悲願達成」と喜ぶ関係者も多いという

 こう語るのは、前・佐賀県鹿島市長の桑原允彦氏(66)だ。〝巨大プロジェクト〟とは、氏が現役時代から反対し続けてきた、長崎新幹線の敷設のこと。その最後の未着工区間だった、諫早---長崎区間の着工が6月29日、民主党政権によって決定されたのである。

 建設中の長崎新幹線は、博多―長崎間を結ぶ予定の路線。この路線のうち、自民党政権下の '08 年から、武雄温泉(佐賀県)―諫早(長崎県)区間では既に工事が進んでおり(写真)、今回、着工が決定された諫早―長崎区間の工事も今夏に開始される予定だ。これで長崎新幹線の全区間の着工が決まり、'22年には全面開通する見込み。推進派の長崎、佐賀両県知事や長崎市長は早速、歓迎のコメントを出した。しかし、その一方で、桑原氏のように、この線は無駄な公共事業である、という批判の声をあげる人も多い。

「博多まで行くのに、今と30分ぐらいしか変わらんのでしょう。料金は高くなるし何か意味があるのかね」

 とは長崎市の30代の男性の言葉だ。まさにそのとおり。長崎新幹線の開通によって、博多―長崎間で短縮される時間はわずかに28分。現在の1時間48分が1時間20分に短縮されるに過ぎないのだ。

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