シリーズ 2020年の世界から見た2012年の日本7 ~「大阪都」がアジア最大のカジノ都市になる日~

2012年07月23日(月)
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 マカオやシンガポールでは、カジノを含む複合観光施設の経済効果は、大型ホテルやレジャー施設まで含めれば、少なくとも1拠点あたり年間数百億円以上に及ぶ。こうしたマカオ、シンガポールをおって、台湾やベトナムなどの近隣諸国もカジノ解禁を検討している。

1施設あたり年間2,000億円の経済効果

 仮に日本でカジノが解禁された場合、3,000億円超の事業投資及び年間2,000億円程度の経済効果が見込まれている。具体的には次のような効果がある。

① イニシャルで必要となる施設そのものへの建設投資や、遊戯器具などの設備投資に伴う効果。具体的には前者は都市開発を実施するデベロッパー、実際に建設を行う大手ゼネコンを始めとする建設業界で、後者はすでに外国でのカジノ向け遊具を販売している遊具会社やパチンコ遊具を販売している産業が対象となる。

② イニシャルコスト以外にも日々のカジノ運営に加え、その設備管理等のオペレーションに伴う効果。カジノ運営については、国内企業だけでなく外資企業の参入も必要となるかもしれない。また設備管理については、ビルメンテナンス等を行う産業が対象となると思われる。

③ カジノに付随した大型ホテルやレジャー施設、地域経済への波及効果。例えば宿泊施設やレストラン、お土産屋、交通機関などが考えられる。これらについては、地元のお店に加え、新規参入も見込まれる。

 すでにいくつかの自治体は、一定の前提を置きつつ、その効果を試算している。例えば沖縄県は、仮に県内にカジノ施設を含む統合型観光施設ができた場合、イニシャルでの事業規模は、建設費用3,200億円、直接雇用13,000人を見込み、年間の収入(カジノ運営以外も含む)を2,100億円と見込んでいる。これによる県全体への経済波及効果は、合計で9,000億円、直接雇用者数は77,000人(建設47,000人、複合観光施設運営30,000人)に及ぶと試算している。

 また、東京都は、新規需要2,200億円、直接雇用14,000人程度を見込んでいる。さらに千葉県は、大型の施設を建設した場合には、イニシャルでの建設費用は3,600億円、その後5年間の経済効果は1兆6,000億円、直接雇用者数は28,000人と見込んでいる。

日本でカジノ解禁の議論は進むのか?

 日本においても、2012年5月7日、外国人観光客誘致の切り札とすることに加え、東日本大震災の復興資源の捻出や地方自治体の財政再建を進めるため、カジノを中心とした複合観光施設 *2 の導入により観光復興を目指す超党派の議員により、カジノ設置を推進するための法案がまとめられた。

*2 カジノ施設及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設であって、民間事業者が設置及び運営をするものをいう
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