井上久男「ニュースの深層」
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これからの日本にはもっと多様な「キャリア」があっていい ~「シーラカンス食堂」に見る若者たちの「雇われない生き方」

2012年07月18日(水) 井上 久男
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シーラカンス食堂の創業メンバー。左から小林新也さん、吉岡直哉さん、松尾圭亮さん(筆者撮影)

 日本経済新聞が7月16日、1面トップで「働けない若者の危機」と題する記事を掲載した。今後連載として続くようである。その冒頭にこうある。

「日本はいつの間にか若者に仕事を与えられない国になってしまった。学校を出た24歳以下の10人に1人が失業し、2人はアルバイトなど不安定な仕事で日々をやり過ごす。今日の競争力は低下し、社会保障の担い手が足りなくなる・・・」

 今の日本の厳しい雇用環境の中では新卒として大企業に就職するのは難しい。こうした状況を反映してか、「雇われない生き方」を目指す若者が増えているように感じる。

 その象徴的な存在が、昨年12月、東証マザーズに上場した掲載料不要の求人サイトを運営する「リブセンス」の村上太一社長だろう。早稲田大学在学中に起業し、25歳での上場が最年少上場記録を塗り替えたため、マスコミでも取り上げられ、有名になった。

実家の物置部屋を改装して事務所として活用

 一方、こちらはまだ無名だが、兵庫県小野市でも大学を出たばかりの若者3人が2011年3月、合同会社「シーラカンス食堂」(資本金250万円)を起業、やはり「雇われない生き方」を目指している。

 ユニークな社名からは想像もつかないが、デザイン会社である。デザインスタジオを運営したり、自社でデザインした商品を大企業と連携して開発したりする。「シーラカンス」とは古代ギリシャ語で、「からっぽ&脊椎」を意味するという。からっぽのところに若い力で何かを埋め込み、次世代に何かを繋ぐ骨のような存在でありたい、との思いから命名した。「食堂」と付けたのは、古き良き温かみのある集いの場に自然と仲間が集まる、といったことをイメージしたからだ。

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