8割以上が中国人留学生という大学が国の補助金を食いつぶす。4割が正社員になれない大学教育の問題点

2012年07月17日(火) 田村 耕太郎

 前回にひきつづき、大学研究家の山内大地氏から話を聞いた。今回は中堅・中堅以下大学の現実について、一言でいえばそれは厳しい話の連続だった。

ーー次の問題に移ります。私もエリート教育の格差にばかり注目していました。しかし、日本の大学問題の核心はボリュームゾーンである中堅校や下位校にあるのではありませんか?そこを聞きたいです。

「一言でいえば、偏差値50の学校を出た学生たちが正社員になれない時代がきたのだと思います。一億総中流はとっくの昔に終わってます。彼らが名のある企業で正社員となり、家庭が持てて、ローンで家が買えるという時代は終わりました。大学を卒業して正社員になれる比率は6割を切っています。

偏差値40台後半の学生数の多いA大学では、正社員として就職する比率が59%。大学院に行く学生は一割もいません。4割がフリーターになったといっても過言ではありません。就活すらやろうとしない人もいます。このランクの大学では半数が推薦入試やAO入試、学力入試も二科目だけです。多いのが英語と国語という組み合わせ。英語、国語、社会だったのが社会を入れたら志願者が減るということでそうなったのです。英語と国語で偏差値が50くらいなのです。

昔は私立大学で、芸能人が裏口入学で話題になったことがありましたが、そんなことはもうありません。芸能人の合格はもう堂々と行われています。タレントというだけで技能が認められ、推薦やAO入試で一発合格となるのです。」

「中国のまともな大学にいけない学生が日本にくる」

ーーちょっと前までは中堅以下の大学は“名前をかくだけで合格”と言われたが、今は“名前をかかなくても合格”と言われると聞いたことがあります。

「夏休みに各大学が学校説明会やってます。そこで面接をやって内々定出します。いわゆる口約束です。「君は暑い中ウチに見学に来てくれたから願書を出せば合格にするよ」というような話をするのです。

今や定員割れの大学が4割です。定員を満たさないと赤字経営なので学力に関係なく定員を満たすことが目標となっています。授業についていけない子供も大量に受け入れていますので、2-3割の中退率となってしまっている大学が出ています」
 




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。