Closeup 快進撃、巨人!阿部慎之助が語る「ストライクを見逃す勇気」「屈辱を忘れないために・・・」チームを率いる主将は、
ロッカーにエラーした際の写真を
置いているという

あべ・しんのすけ/'79年、千葉県生まれ。'01年に中央大学からドラフト1位で巨人へ入団。昨年までの通算成績は打率2割8分5厘、268本塁打
阿部の練習熱心さは、チームでも随一だ。誰よりも早く球場入りして、まずランニングやダッシュ。そして打撃や守備練習を3時間以上こなす。ビジターゲームで練習場所が確保できない時は、人気のない駐車場などで黙々と身体を動かしている

 鋭い打球が、相手投手の頭上を越えていく。6月30日の中日戦。初回に1点を先制した巨人は、なお無死満塁の場面で、5番・阿部慎之助(33)がセンター前へ決勝の2点タイムリーヒットを放った。

「いい形で繋がってきたので、そのまま流れに乗れています。外野フライでもいいケース。コンパクトに振れました」

 ヒーローインタビューで阿部は、こう話し表情を緩ませた。開幕直後に二度の5連敗を喫するなど4月には6年ぶりの最下位に落ちていた巨人が、この中日との首位攻防戦に4対2で快勝するなど、5月以降29勝11敗(成績は7月2日現在、以下同)と猛追撃。7月1日には、ついに首位に躍り出たのである。 

もう長打はいらない。
ホームランも年間10本でかまわない

 快進撃の原動力となっているのが、主将の阿部だ。打率はリーグトップの3割2分1厘、本塁打は同3位の12本。得点圏でも、打率3割2分7厘と勝負強さを見せている。6月下旬、ジャイアンツ球場(川崎市)で練習前の阿部が、好調の要因を本誌に明かした。

「単打狙い。この意識を持てていることが、今の成績に表れているんだと思います。(低反発の)統一球が採用されて2年目ですが、昨年の前半は『飛ばしたい』という思いが強かった。2年前までのように飛ばすことができず、かなり苦しみました。そこで後半から意識を変えたんです。『もう長打はいい。ホームランも年間10本でかまわない。単打狙いでいこう』と。よく3割30本が強打者のバロメーターのように言われますが、統一球で達成するのは非常に難しい。長打はいらないと割り切りミートに徹したら、結果が出るようになったんです」