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ITトレンド・セレクト
2012年07月13日(金) 小林 雅一

日米で広がるスマホ依存症: その病理と対策はまちまち

 筆者は個人的には、(別に米国かぶれというわけでもなかろうが)電車内で他人のたてる音はあまり気にならない。ごくまれに隣の乗客が誰かと電話していても怒ることはない。むしろ電車の中で化粧している女性、あるいはレストランで食事中に、近くの席で唾液の音をピチャピチャさせながら食べている男性などに腹が立つ。ああいうのは本当にやめて欲しいと思うし、実際に面と向かってそう言ったこともある。

 ちょっと話がそれたが、要するに何を気にするかは人によって当然異なるが、それでも国によってある程度の共通性はある。前述の通り、日本人が「他人のたてる音」に敏感なのは、諸外国の人も認めるところだ。

 たとえば2008年頃、米国のSRI Internationalという研究所で、(現在のSiriのような)音声操作の技術開発に取り組んでいる専門家にインタビューしたことがあるが、彼は「音声操作は(他者の音に敏感な)日本では、流行らないだろう」と言っていた。日本の状況をよく知っているのだ。ちなみに米国在住のイタリア人である彼は、「イタリアでは音声操作は普及するだろう」と見ていた。

 他人のたてる「音」にせよ、「化粧」にせよ、人を苛立たせるのは、公的空間で私的行為を見せつけることにある。どこへでも持ち運べるスマートフォンは、公私を隔てる壁を無意識のうちに取り払ってしまうだけに、それへの依存症は社会的摩擦を引き起こすのだ。

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