ユーロ危機は終わっていない! ~加盟17ヵ国が抱える本源的な課題とは
ユーロ危機への対応で基本合意を得たメルケル独首相〔PHOTO〕gettyimages

 最近、国内の投資家と話をしていると、彼らがユーロ圏諸国の信用不安問題について楽観的になっていることが分る。確かに、6月末にかけてのユーロ首脳会談で、金融機関への支援の経路や、ユーロ圏内の金融機関の管理体制整備などが基本合意された。そうした合意によって、スぺインやイタリアの国債が買い戻される場面はあった。

 しかし、それで問題が本格的な解決へと進みだしたと考えるのは尚早だ。何故なら、6月のユーロ首脳会談で決まったのは、あくまでも基本的な方向性だけである。つまり、細部の詰めや実際の資金負担などは、今後も協議が必要になる。それが一筋縄でいかないことは、これまでの経緯から見ても明らかだ。

 既にフィンランドは、ユーロ圏の債務を共同で負担することに拒否反応を示している。恐らく、オランダやドイツの世論も、一部の南欧諸国に対して厳しいスタンスを示すことは間違いいない。ユーロ圏が抱える問題は根が深い。そうした状況を理解しておく必要がある。

ユーロ首脳会議は時間を買っただけ

 私の友人でロンドン在住のクレジットアナリストは、「6月のユーロ首脳会談は、時間を少し買っただけ」と表現していた。まさにその通りだ。会議で合意されたいくつかの点は、スペインやイタリアなど信用不安問題を抱える諸国にとって、多くのメリットをもたらすものだ。金融市場は初動動作として、そのメリットを歓迎した。

 しかし、冷静に考えると、合意事項のうちのいくつかは直ぐに実行することができない。例えば、ESM(ユーロ安全メカニズム)から当該国を通さずに、直接、金融機関に支援資金を注入する点についても、まず、そもそもESMの準備が整っていない。つまり、実行できるようになるのは来年であり、今年中の実効は事実上難しいのである。

 また、ユーロ圏諸国の中でどのように資金負担するかなど、細部についてはこれから話し合いを始めることになる。それでは、スペインやイタリアの国債が売り込まれた時、救済が間に合わないことも想定される。

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