財務省主導の財政再建路線に乗っていてはダメ! 今必要なのは国家目標としての経済成長戦略である!
いつのまにか自公政権以上に保守的な体制に・・・〔PHOTO〕gettyimages

 政治の仕事は、国民に夢と希望を与えることである。そのためには、日本がどのような国を目指すのか、日本社会をどのような方向に変えようとするのか、それを政党は、そして政治家は提示しなければならない。

 将来へのヴィジョンを政党間で競い、選挙で国民の支持を最も集めた政党が政権に就き、国の舵取りをする。それこそが民主主義であり、マニフェストを掲げる意味もそこにある。

自公政権以上に保守的な野田政権

 「国民の生活が第一」や「コンクリートから人へ」をスローガンに選挙で勝利したのが民主党であり、国民の期待を最も集めたのが民主党であった。ところが、今やかつての勢いは見る影も無くなってしまっている。国民との約束を破って消費税増税を決め、公共事業のばらまきも復活させてしまった。

 民主党は、自公政権のばらまき体質を厳しく批判し、政官業の癒着に切り込む改革を断行することを有権者に誓ったのではないか。その改革を遂行すれば、無駄が排除されて財源が生まれ、増税など必要ないと言っていたのではないか。ダム建設などの公共事業ではなく、医療や介護などの社会保障サービスに財源を振り向けることによって、弱者に優しい社会を作り上げることをうたっていたのではないか。

 野田政権は、これらをすべて反故にしてしまい、かつての自公政権、いやそれ以上の保守的な体制に移行してしまっている。まさに何のための政権交代だったのか。政権交代後、行政改革の成果が上がって、消費税増税が不要になることを信じて民主党に一票を投じた有権者は皆、騙されたことになる。

 事実上の大統領選が展開されているアメリカでは、民主党と共和党の政策の違いが明らかである。たとえば、医療保険について日本の国民皆保険のような制度の導入を図る民主党・オバマ政権と、それに真っ向から反対する共和党の主張の違いが際立っている。小さな政府を指向する共和党は、医療保険にまで政府が介入することには反対であり、ロムニー氏は、もし政権に就いたら、オバマ政権の医療保険改革を廃止すると明言している。

 このように政策の選択肢が提示されることが民主主義にとっては不可欠であるが、過去3年間の日本では、選挙で政策を約束しながら、民主党政権は、それを平気で変えてしまっている。民主党は、そして野田政権は、この日本をどこに導こうとしているのか。消費税増税にしろ、原発の再稼働にしろ、安全保障にしろ、民主党を支持した有権者は、すべてにおいて逆の方向を期待していたのではないか。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら