選挙
1990年海部政権の前例を狙う野田内閣---衆院解散・総選挙はいつか!?
瀬戸際に立たされる野田内閣〔PHOTO〕gettyimages

 衆院解散・総選挙時期について、首相官邸から漏れてくる声に耳を澄ますと、首相・野田佳彦は「来年1月解散、2月総選挙」に照準を絞っているようだ。この時期の解散・総選挙は1990年の海部政権で前例があり、時の自民党幹事長は小沢一郎だった。小沢は、金丸信率いる竹下派の力をバックに、施政方針演説をしたがる海部俊樹をねじ伏せ、通常国会冒頭解散に持ち込んだ。

 今、解散権を握る首相・野田佳彦は、同じ時期の解散・総選挙を指向し、早期解散を求める自民、公明両党や小沢に肩すかしを食らわそうとしている。

解散なくして特例公債法案成立はない

 衆院解散・総選挙を来年初めまで延ばすためには2つのハードルを越えなければならない。まず、今国会での内閣不信任案政局だ。

 自民、公明両党は参院での消費増税法案成立を待って、8月下旬にも衆院で内閣不信任案、参院で首相に対する問責決議案を提出する方針だ。

 問責決議案は法的拘束力がないので、可決確実であっても、政権の致命傷にはならない。しかし、内閣不信任案が可決されると、野田は衆院解散か、内閣総辞職の選択を迫られることになる。

 衆院議長と欠員1を除いた衆院の議席は478で、その半数は239議席。与党の議席は民主党会派250と国民新党会派4の計254だ(8日現在)。つまり、民主党内から15人が不信任案に賛成すれば可否同数で議長決裁となり、16人なら不信任案は可決されてしまう。いまのところ、これほどの造反者が出る可能性は小さいが、政治は勢いで動いてしまうこともある。

 動向が注目される元首相・鳩山由紀夫は7日、北京で講演し内閣不信任案が提出された場合の対応について「政策的な立場から言うと同調したい部分もあるが、簡単に結論を出せる状況でもない」と語り、同調する可能性を否定はしなかった。鳩山は民主党の創設者としての自負心が強く、民主党政権崩壊につながる不信任案には同調しない、という見方が強い。だが、鳩山は消費増税法案に反対したことに対して、民主党が「党員資格停止6ヵ月」の処分を下したことでヘソを曲げてしまった。

 そこを小沢が突くのは確実だ。小沢はあらゆる手を使って民主党内の造反者を増やし、内閣不信任案可決に持ち込もうとするだろう。

 仮に野田内閣が不信任案政局を乗り切ったとしても、今年度予算執行の裏付けとなる特例公債法案成立のメドは立っていない。財務相・安住淳は6日の記者会見で、同法案が9月8日に会期末を迎える今国会で成立しない場合、国が政策を行う財源が10月中にほぼ枯渇するとの見通しを表明した。しかし、これは本当か?

「10月中というのは財務省一流のサバを読んだ言い方で実際には11月まで大丈夫だ」「財務省証券を発行すれば、成立が来年になっても持つ」(民主党執行部の一人)

 こちらの方が正しいのだろうが、政府としてはなんとしても今秋に成立させたいところだ。これに対する自公両党の姿勢はかなり固い。政権側は内々、自民党の感触を探っているが、「衆院を解散する約束なしには成立は無理」という見方が有力だ。

 この場合は、9月の民主党代表選、自民党総裁選が終わった後、10月に召集される見込みの臨時国会で、10月から12月の間に解散、11月から来年1月の間に総選挙という日程になる。憲法で「解散の日から40日以内に総選挙を行う」と規定されているので、解散日と総選挙の投開票日との間は1ヵ月前後あく。

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