"世界金融緩和競走"でも滞留する莫大な投資資金はいったいどこへ向かう?
ECB創設以来初めて0%台へ政策金利を引き下げたマリオ・ドラギ総裁〔PHOTO〕gettyimages

 7月5日、僅か1時間余りの間に、中国、英国、ユーロの中央銀行が立て続けに金融緩和策を発表した。中国は2ヵ月連続で政策金利を引き下げ、英国も500億ポンド(約6兆2千億円)の量的緩和枠を拡大して市中への資金供給を増加させることを決めた。

 さらに、欧州中央銀行(ECB)は、政策金利であるリファイナンス金利を0.25%引き下げて、年率0.55%とすることを発表した。それと同時に、市中の金融機関が余った資金をECBに預ける際の金利を0.25%引き下げて0%にすることを決めた。

 今回のECBの措置は、金融機関が余った資金を民間企業への貸し出しや、ユーロ圏主要国の国債購入に振り向けることを促すものだ。こうした状況は、まさに"世界金融緩和競走"の様相を呈している。ただ問題なのは、世界的な金利低下によって、投資資金の行き先がなくなりつつあることだ。

"世界金融緩和競走"の背景と効果

 中国、英国、ユーロに限らず、わが国をはじめ米国やインドなどの新興国までもが、現在、金融緩和策を実施して経済を刺激する方針を明確にしている。その背景にあるのは、何と言っても、先進国に限らず新興国も経済状況が低迷していることである。

 これ以上の景気低迷を避けるために、各国の金融当局は、いわば背水の陣で金融を緩め、市中に多額のお金を供給して景気刺激を図っている。ところが、今のところ、その効果が目に見える形で出ていない。金融当局が、いくらお金を注入しても、そのお金がうまく回らないのである。

 お金がうまく回らない理由には、多くの人々が現状に不安を感じており、リスクをできるだけ取りたくないという姿勢を示していることが挙げられる。つまり、"リスクオフ"の状態になっているのだ。だから、中央銀行がいくらお金を注入しても、その効果がなかなか顕在化しないというのが現状だ。

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