不正・事件・犯罪 裏社会
「怨念の土地」に終わりは来るか!? 「真珠宮ビル跡地」をめぐる恐喝事件で山口組系弘道会大物逮捕も「検事パイ」のお粗末

 新宿駅南口から徒歩3分。交通至便の場所にある「真珠宮(しんじゅく)ビル跡地」は、呪いをかけられたような「怨念の土地」である。

 警視庁は、過去に急成長していたマンション販売・菱和ライフクリエイトの代表を山口組系後藤組の後藤忠政組長(当時・現在は引退)らとともに、06年5月、土地売買をめぐる公正証書の虚偽記載で逮捕した。本件は起訴後、最高裁まで争われ、菱和ライフクリエイトの代表は無罪、後藤元組長は有罪が確定した。

 ただ、もうひとつの事件は捜査が継続中である。

 ビルを管理していた野崎和興元司法書士の刺殺事件---。06年3月に発生、警視庁組対4課は、実行犯や運転手など事件関係者を断続的に逮捕、現在は「最終的に指示を出したのは誰か」を特定する"詰め"の捜査に入っている。

「貸し主」が相談した先は暴力団だった

 不動産関係者なら知らない人のないこの真珠宮ビル跡地で、また事件が発生した。

 組対4課は、6月27日、土地売買がこじれてトラブルになり、購入契約を締結した「買い主」を「極道をなめるんじゃねえぞ!」などと脅した容疑で、男5人を逮捕した。

 マスコミが名前を公表したのは、山口組系弘道会幹部の梶田欣次容疑者、同じく山口組系松山会幹部の大石充安容疑者、もうひとり不動産会社経営の坂上雅夫容疑者の3人である。いずれも「反社会的勢力」と認定されている。

 事件は、10年9月ごろ、「買い主」が手付金名目で1億円を借りながら、「手付流れ」となって返せず、その"言い訳"に書類の不備などを言い立てたために発生、「なめるな!」という脅しに発展した。逮捕者の残り2人は、1億円の「貸し主」と売買関係の書類作成者だという。

 通常なら、手付金の1億円をめぐる金銭トラブルだが、そこが「怨念の土地」にふさわしいところで、「貸し主」が相談した先が暴力団だった。結果、多少の威圧的な言葉も事件になる。ということで、「買い主」が警察に飛び込み、「組織行為等処罰法(集団暴行)」容疑での逮捕となった。

 私がこの事件に興味を持ったのは、書類作成に関与、連座して逮捕された不動産業者の経営する会社役員に、旧皇族がいたからだ。著書もあり、テレビや講演で活発に情報発信、仮にこの不動産業者の罪が確定した場合、会社業務にどこまで関与していたかも含め、旧皇族の責任も問われると思われた。

 だが、少なくとも事業に関与している様子はなく、支援者の企業に名前を貸している状態だということがわかった。安易な名義貸しは問題だろうが、事件とは関係ない。

 そうこうするうちに、事件そのものが"消滅"してしまった。7月2日、逮捕から6日目に全員、「処分保留」で釈放されたのである。この措置は、拘置していた容疑者に、犯罪の嫌疑が認められないか、不十分であると検事が"認定"した場合に取られる。

 あくまでも「保留」であって、新たに起訴できるような証拠があれば、再捜査、再逮捕の可能性は残されているものの、わずか6日での釈放は、よほど容疑者に有利な証拠が見つかった可能性が高く、事件はこれで終息するだろう。

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