学校・教育
大阪産業大学の常務理事解任・懲戒解雇をめぐる労働裁判で和解成立 ~大手メディアが報じない教育現場の「劣化」を考える
学校法人大阪産業大学のHP

 約1万人の学生が在籍する関西の中堅私学、学校法人大阪産業大学(大阪府大東市、理事長・土橋芳邦氏)で、改革派の常務理事事務局長兼経営学部教授の重里俊行氏を「冤罪」で解任・懲戒免職(2010年9月10日付本コラム)に付したり、女子大生が入学前に実施を約束していた講義や指導をして欲しいと大学側を提訴(2011年9月8日付本コラム)したりするトラブルが起きていることを筆者は報じてきた。

 重里氏は常務理事職の解任と教授職の懲戒免職が不当であるとして学校法人を相手取って大阪地裁に提訴。同時に同学校法人が懲戒免職理由をホームページ上で開示した際に、重里氏が学生の研修旅行の際に集めた金を私的に流用したことなどを掲げたことが事実と違うため名誉棄損にあたると訴え、2つの裁判が同時進行で進んでいた。

人権をも蹂躙する杜撰な運営

 そのうち労働裁判について2012年3月21日、重里氏と学校法人の和解が成立した。本来支払われるべき賃金と慰謝料を考慮して重里氏側が要求した和解金額を学校法人が全面的に受け入れた格好だ。

 和解に応じた理由について重里氏はこう説明する。

「裁判所から、教授職を懲戒解雇したことは解雇権の乱用に当たるが、常務理事職の解任は経営の問題であり、労働裁判にはそぐわないとの見解が示されました。学校法人側が高い和解金を支払う代わりに大学には戻らないという条件で和解をすることにしました」

 さらに、名誉棄損についてはこう言う。

「法人側が懲戒解雇の理由に掲げた、学生から集めたお金が私的流用にあたるとしたことについても、これが私的流用に当たらないことを示す証拠を提示して反論したことで、法人側が不利な情勢でした。名誉棄損の訴えを取り下げることを和解条件として法人側が求めてきましたので、それを受け入れました」

 法人側は重里氏の懲戒免職処分を撤回して謝罪し、ホームページ上にその謝罪文を掲載している。労働裁判では法人側の主張はほとんど認められず、しかも多額の和解金を支払い赤っ恥をかいたわけで、和解とは言いながらも重里氏の全面勝利に近い構図だ。

 筆者は大阪産業大に対して、この労働裁判で多額の和解金を払い、法人側が事実上の敗訴に至ったことについて見解を求めたが、同大広報課は「ノーコメント」と回答してきた。

 これから詳しく述べていくが、大阪産業大の大学の運営がいかに杜撰で、人権を蹂躙しているかが分かる。和解に至った同大学のトラブルについては初めて知る読者もいると思うので、過程の概要を解説する。

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