馬淵澄夫レポート

デフレ脱却こそ景気回復の大前提。量的緩和による金利上昇リスクばかりを強調する日銀に異議あり

2012年07月02日(月) 馬淵 澄夫
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 社会保障と税の一体改革に関する法案の衆議院裁決があり、賛成多数で可決した。

 これにより、三党合意の下、与野党一体となって2014年4月の消費増税に進むこととなる。しかし、当然それまでの二年弱の間、徹底した経済状況の好転に結び付く成長政策の実行とその前提となるデフレ脱却を実現していかなければならない。

 私自身、与党議員の責任として賛成票を投じたのだが、129時間8分に及ぶ社会保障と税の一体改革議論についてはまだまだ十分ではないと思われる点もあった。5月23日に私が質疑(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32676)で質したことも含めて明らかでないところもいくつかある。これらは参院で改めて審議に付していただくことを願っている。

 その中で気になっているのは、デフレ脱却のための更なるインフレ目標の設定や量的緩和などによるマネタリーベース拡大という金融政策を取ってインフレに転じたときに生じる、とされる金利上昇リスクについてである。国会審議では置き去りだったように感じるので改めて指摘しておきたい。

 5月17日社会保障と税の一体改革に関する特別委員会質疑で金利上昇リスクについて、前原政調会長は下図を示して以下のように述べている。

「一%金利が上がれば、国債の評価損が生まれ、三・五兆円の評価損が生まれる。地銀、第二地銀等では二・八兆円の評価損が生まれる。」このことについて日銀の試算を例にとってパネルで説明を行った。

 さらに、ティアⅠ(中核的自己資本)比率の押し下げ幅についても「大手銀行は、一%金利が上がれば自己資本比率が一・六下がる、地域銀行は一・九下がる。自己資本比率が下がるので資本注入をしない限りは、貸し出しを抑制しなければいけない。経済活動が萎縮をしてしまって、景気に悪影響を及ぼしてしまうということになる。」と述べた。

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