打倒フィリピン英会話!日本人はアメリカ人ネイティブから英語を学ぶべきだ
アジアの時代だからこそアメリカ英語を学ぶべし

成長するフィリピン人スカイプ英会話

 フィリピン人講師によるオンライン英会話レッスンが盛んである。フィリピン人が講師を務めるオンライン英会話スクールの数は今や60を超えている。料金の手軽さ---25分で100~1000円---や、すきま時間を使える便利さで支持を拡大している。そのフィリピン英会話ブームに殴り込みをかける男がアメリカ西海岸に登場した。

 スキマトークの創始者、清水幸治氏だ。スタンフォード大学と並ぶシリコンバレーのメッカ、カリフォルニア大学バークレー校のビジネススクールを卒業。アメリカ名門校在学生をインストラクターとするオンライン英会話スクール事業をアメリカ西海岸に起ち上げた。

 清水氏は「フィリピン英会話で1年間鍛えた英語が、アメリカ留学で通用しなかった」経験を持つ。アメリカでも通じる「雇用を守る英語」こそがグローバル時代の日本人に必要な英語と定義し、アメリカ名門校の学生が使う訛りのない英語を日本人に広めることを目指している。

 フィリピン英会話教室を含めた、格安のスカイプ英会話教室とどう差別化していくか?

 講師の質、使い勝手、購入障壁の低さの3点で勝負していきます。 まず、講師の質について。現在はネイティブ英語スピーカーに限っているので、当然ながら訛りがありません。英会話インストラクターの経験が豊富な学生や、インストラクターの経験はなくてもアメリカの大学受験をくぐり抜けてきた地頭の良い学生を中心にリクルートしています。

 我々は彼らを管理したりしません。代わりに生徒の評価(5つ星評価)をオープンにしています。各インストラクターは自分の評価を守るために、他のインストラクターと競争しながら、創意工夫して、熱意を持って教えてくれます。やる気や能力のないインストラクターは淘汰されます。我々が認定した評判の高いインストラクターは、現在の9ドル/25分の上限設定をはずすこともできます。結果的に、綺麗な英語を話す、優秀かつ熱意のあるインストラクターが集まるようになると思っています。

 使い勝手については、インストラクターを世界中から集め、24時間いつでも、どこにいても、レッスンを受けることができる状況を作ります。ただ、現在はインストラクターの数が少なく、西海岸、東海岸、ニュージーランド(NZ)にしかいない。リクルートにもう少し時間がかかります。その他、ウェブサイトのユーザー・インターフェイスをなるべく感覚的に使えるようし、購入までのクリック数をなるべく少なくするようにしています。

 最後に購入障壁の低さについて。例えば、初期コストを低く設定します。格安フィリピン英会話は「月5000円払ったら、毎日25分」という課金方法が主流。スキマトークは1回9ドル=約750円と、1回単位で課金します。

 フィリピン英会話の場合、5000円という金額もさることながら、それを払うことは、毎日、継続して学習することにコミットすることを意味します。忙しくて、それができない人がかなり多いと思います。スキマトークは1回単位で課金するので、継続へのコミットメントは不要です。

 狭く深く顧客を開拓するか、広く浅く顧客を開拓するか、を考えると、スキマトークは後者を選びます。英会話スクールというよりはプラットフォームになることを目指しているからです。なので、フィリピン英会話を毎日しつつ、時々、スキマトークのネイティブで腕試しをするという使い方も大歓迎です。

 日本人はネイティブスピーカーが嫌い?!

 これからアジアの時代といわれ、英会話も格安フィリピン英会話が全盛。
そこにネイティブ英会話とは時代の流れを読み違えているという意見もありそうだが?

 完全に読み違えました!(笑) 

 それに気づいたのは約2ヶ月前です。先生数名とウェブサイト試験版の準備が出来た時点で、「無料で試して欲しい」と友人とその友人を含めると100名以上の方にお願いしたのですが、やってくれたのはたった5名。うち海外経験ありを除くと1名だけ。将来海外で働きたいから英語を磨きたいといってた知り合いも尻込むありさまで、何かおかしいなと。二日間途方にくれたあと、ひょっとしたら「99%の日本人は無料でもネイティブとなんか話したくない」のではないか、と気づきました。

 アメリカから日本の新聞その他のメディアを読んで、英語学習に対する需要が伸びていると感じていたのですが、それがネイティブ英会話には直結していないんだと。どの英会話スクールもその残り1%にリーチするために、必死に宣伝をやっているんだと考えると合点がいきました。

 それがわかりながら、続けているのは二つ理由があります。一つはこのサービスはいつか必ず日本に必要になる、という確信があったことです。ただ、いつかはわからない。そこまで頑張れるかの我慢比べだと自分に言い聞かせています。最近よくお世話になっているのが、Twitterの吉田松陰botです。断られ続けて「もうあかん」と思うと、松蔭botから「何もせずに機会を失ってしまうのは人の罪である」とか「在野の人よ、立ち上がれ。国が滅ぶというときにあなた達はいったい何をやっているのです!」とか言われるんです。歴史上の人物や機械(bot)に励まされるとは面白い時代です。

 二つ目は、家族以外で初めてお金を払ってサービスをご利用いただいた人からの話です。彼は韓国の東亜日報の新聞記者で、ちょうどシリコンバレーにいるので取材したいと言われました。日本で宣伝もしていないので、韓国で紹介されては困るし、そもそも日本人のためと思って作ったものを韓国に先に紹介されるのは本望でなかったので、断りました。それから我々は彼とメールではやりとりはしていて、聞いたのが、TakeTalksという会社の話。良く似たビジネスモデルの、ニューヨークで韓国人とアメリカ人がやっているネイティブ英会話で、唯一の違いが韓国市場を対象にしているところ。もしそのサービスが韓国で広がれば、日本人と韓国人との英語力の差がもっと開いてしまう。そして彼らのようなサービスが日本含め海外に出て来るかもしれない。これはやめられないと思いました。

 今、我々ができることは、地道にスキマトークのサービスを向上させることと、日本で潮目が変わるのを待つことだけです。そのためにはフィリピン英会話がもっと普及して、スキマトークの潜在顧客を増やしてもらう必要があります。また、きっかけとして6月28日(「君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか?!」の発売日)にも大いに期待しています。

 また、「アジアの時代だからアジア人同士で通じる英語で良い」という論は、一つの側面しか捉えていないと思います。確かに成長するアジア市場に地の利を活かしてものを売り込むことはできるでしょう。ただ、一方で、アジアの成長は「日本の相対的な地位低下」を意味します。アジアの国や企業が、日本から買っていた製品を自国で作ってしまう、日本のお得意先のアメリカなどの市場を奪ってしまうという側面です。サムソンが典型でしょう。

 悲しいかなSonyなどはビジネススクールで笑いの種になってしまっています。例えば、「イノベーションとは、人が使うUsefulものを作る事なのに、ソニーはAIBOのような技術力があって面白いけど誰も使わないものを作っている」という話や、ブランド力や時価総額がソニーとサムソンで逆転するグラフなどはよく出てきます。日本人としては何度も悔しい思いをしました。

 また前職の関係で詳しい、中国の華為(ファーウェイ)という会社もそうです。総裁にもお目にかかったことがありますが、話が哲学者のように深い。かつ軍隊出身で信賞必罰、従業員の統制は完璧です。若くて優秀かつ賃金の安い中国人を使いこなして、あっという間に日本企業、欧米企業を抜いて、今や世界1位か2位の通信機器メーカーになりました。日本で若者の仕事がないのは、単純に政治が悪いからだけではなく、これらの企業に雇用を奪われているのです。

 これらの企業はニュアンスレベルで現地でマーケジングしたり、現地人材を管理出来るマネージャーやその候補を自社内に大量に抱えて、育成しています。それ以外にも、例えばサムソンは私のUCバークレーの同級生にも内定を出しています。アメリカ人含め何人か入社予定で、社内のグローバル化、英語化を急速に進めています。国レベルでも韓国や中国は英語教育を国策として進めていますし、そもそも英語が公用語であるインドの企業もこれからどんどん世界に出てくるでしょう。

 日本企業がこららのアジアのライバル企業に追い抜き追い越すには少なくとも同じレベルの人材を国籍を問わず揃える必要があります。そして、それを進めるには社内の共通言語が英語でなければなりませんし、それに耐えうる人材を日本で大量に生み出す必要があります。だから個人的には「アジアの時代だから..」という話を聞く度に危機感を覚えます。

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