「小沢新党」は現実のものとなるか!? 政局観が鈍った小沢一郎に迫る「決断」の時
26日の衆院採決で反対票を投じた小沢氏〔PHOTO〕gettyimages

 民主党の小沢一郎元代表の離党・新党結成表明の時期とその同調者の人数に関心が集中している。新聞各紙の報道ぶりからすると、同氏は週明けにも「重大な決意」を明らかにしそうだ。そして同調者は衆参両院で約45人というのが相場観である。

 果たして小沢氏は、本当に早期の離党・新党結成を決断するのか。断じる根拠を示し得ないが、筆者は「先送り」すると見ている。小沢氏のこれまでの自民党→新生党→新進党→自由党→民主党の変遷をウォッチングしてきた者として言えることは、同氏が「(決断)する」と言った時はしないことが多く、する時は事前のアナウンスなしに電光石火決断してきた。

 織田信長をなぞれば、奇襲攻撃で名高い今川義元との桶狭間の戦い(1560年)、鉄砲を活用した武田勝頼との長篠の戦い(1575年)のように、小沢氏は相手が驚愕する戦法で幾多の権力闘争に勝ち抜いてきた(勝敗で見れば負け戦の方が多い)。しかし、その小沢氏の今回の戦の仕方に違和感を覚えるのは筆者だけではないはずだ。

新党立ち上げには約20億円必要

 そもそも6月15日の民主、自民、公明3党の修正合意は小沢氏の想定外のことだった。消費増税関連法案の修正協議で、野田佳彦首相はともかく、自民党がかくも譲歩を重ねるとは見通していなかった。あれほど修羅場を経験してきた小沢氏だが、政局観が鈍ったのかもしれない。

 新党名を一部メディアにリークしたり、グループ内の衆院議員48人を集め離党届に署名させて預かったり、26日の衆院採決時に反対票を投じて壇上を降りるや「よしっ!」と叫んだりしたことは、離党・新党結成に期待感を持たせることで求心力を維持するためのパフォーマンスとしか考えられない。焦燥感から止むに止まれず行なったことではないか。

 離党・新党結成には、①資金②顔(代表)③時期---の3つが重要ファクターとなる。民主党随一の資金力を誇ったのは過去のことだ。代表と幹事長を歴任した往時は、政党助成金や組織対策費など党のカネを事実上、自由裁量で使えた。40人規模で新党を立ち上げるには約20億円用意する必要があるとされる。今や資金ショート説すら流布されている。

 刑事被告人である小沢氏を公党の党首に仰ぐことには支持グループ内にも抵抗がある。NHKの「日曜討論」などメディアの番組出演や日本記者クラブ主催の公開党首討論会出席に異論が出ることは想像に難くない。では、現在の小沢氏側近の東祥三元内閣府副大臣を暫定党首に就かせるとして、果たして新党の「顔」に相応しいのかどうか。

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