一方で、東大"メジャーリーガーたちは、インカレサークルでお茶の水、白百合、聖心の女子大生たちとキャンパスライフを謳歌する。仲間内で授業のノートを交換し合って、要領よく試験も良い成績で突破していく。都内の超一流校出身の東大法学部3年生はこう言った。
「僕の同級生にも、鬱(うつ)病になっちゃった人がいますよ。もともと目立たない地方出身者でしたが、2年生の頃から急に『ビッグになってやる』とか言って、サークルを作ろうとしていたけど、誰もついて来なかった。それで完全に心が折れたみたい。東大進学を約束された高校から入っていれば、背伸びせずに済む。普通の高校から、普通の大学に入っていればそんなことにならないのに」
敗者復活はない
スタートダッシュで躓(つまず)けば、敗者復活も許されない。もちろん、その後の人生にも後を引く。
文学部の4年生は滋賀の公立校出身。入学当初から東大に馴染めなかったため、サークルには入らなかった。一時は他大の学生と知り合ってロックバンドを組んでいたが、これもすぐに解散。

いまは必修の授業にだけ参加して、残りは家でネットゲームをして過ごす。すでに3回留年しているので今年卒業する予定だが、就職のあてはない。「フリーターになります」と語った。
冒頭で紹介した文学部卒業生は、すでにフリーター生活2年目に入る。3年生時に就職活動をしたが、日経新聞、読売新聞、博報堂など志望した会社すべて、書類選考か一次面接で落とされた。
卒業後、一度は地方大学のロースクールに入学するも、司法試験も失敗。
ロースクールを卒業した時、彼のもとに残ったのは「ロースクール3年分の奨学金」という借金数百万円だけだった。29歳になったが「一度も正社員として働いたことはないし、これからも雇ってもらえないと思う」と言う。親には現状を伝えてないので、帰省もできない。いまは知り合いの家を転々とし、飲食店のバイトで食いつないでいる。
もちろん"メジャーリーガーの多くは、官公庁、大手企業に入ったり、弁護士になったりして華麗に社会人のスタートを切る。彼らはクラスやサークルの先輩ルートを最大限に利用し、互いに情報交換もできるから就職でも強いのだ。一方の"マイナーリーガー"たちのほとんどはこうなる。
「就活の情報が入ってこなかったので、完全に出遅れた。その時点で秋採用をやっていた中小企業に不本意ながら就職せざるをえなかった」(前出・農学部卒業生)
「もう東京は嫌なので地元に帰ることにしました。東大では、プライドを傷つけられただけだった」(前出・経済学部卒業生)
今年も4月になると、東大駒場のキャンパスには、熾烈な「戦(いくさ)」を勝ち残った猛者たちが集まる。ただ、その内部には「出自」がモノを言う「格差社会」が広がっている。その残酷なキャンパスで勝ち残るのは、受験戦争より難しいのかもしれない。
以降 「東大までの人」と「東大からの人」第2弾 vol.3 へ(近日公開予定)。
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