官々愕々
「4つの大罪」を引き継いだ民主党

 幾多の茶番劇を経て、消費増税がついに決まった。

 財務省に洗脳された野田総理は、マニフェストの骨格を放棄してまで増税オンリー路線を貫いた。

 国民が熱狂したあの2009年の政権交代は一体何だったのか?

 自民党の失政による「失われた20年」。その間日本は確実に没落の道を歩んだ。自民党には4つの大罪がある。

 第一の罪は、900兆円の財政赤字を積み上げたこと。そのかなりの部分が官僚達の生活を守るための埋蔵金となった。

 第二の罪は、少子高齢化への対応をしなかったこと。人口増加を前提とした仕組みの抜本改革を怠り、社会保障の持続可能性をなくしたこと。少子・高齢化はずっと前からわかっていたのに100年安心プランなどという寝言を言い続け、子育て政策も無策だった。

 第三の罪は、成長できない日本を作ったこと。世界最高水準の技術、世界でも有数の勤勉で教育水準の高い労働力があり、民間企業には資金が余っている日本。技術と人とカネが揃い、しかも、世界の成長センター、アジアの中にある。成長できないのが不思議だ。

 その原因は、デフレ・円高政策を変えられない日銀とそれを放置する政府、モノづくり偏重で新たな産業構造への転換を阻む産業政策、何よりも、新たな成長分野におけるがんじがらめの規制である。農業、医療、再生可能エネルギーという3大成長分野で企業が自由に活動できない。中国の話ではない。資本主義、自由主義の日本においてである。加えて、各分野に必ず官僚達の利権がある。

 そして、第四の罪は、原子力ムラと原子力神話を作り、福島第一原発事故を招いたこと。

 事故の責任は民主党ではなく自民党にある。これも官僚の利権が絡み、彼らが支える世界だった。

 この自民党政治に国民がレッドカードを突きつけたのが2009年の政権交代だった。民主党は自民党と違ってクリーンでしがらみがない。官僚とも闘える。だから思い切った改革が出来るはずだ。国民はそう信じた。しかし、それは間違いだった

 民主党はクリーンではなかった。野党時代は単に権力がないから誰もすり寄って来なかっただけだ。政権に就いた途端に農協や医師会などの既得権グループが陳情の窓口に並んだ。彼らの支えで選挙を戦う体制が出来て行き、あっという間に自民党化した。しかも、もっと悪いことに彼らには労組というしがらみがある。「しがらみだらけの民主党」だ。

 新幹線、高速道路など自民党長老も驚くバラマキで財政赤字の累積スピードは加速。社会保障の抜本改革も、マニフェストを無視して自民党の微修正先送り路線に乗る。さらに郵政をはじめ改革と真逆の政策で成長を妨げる。そして極めつけは、脱原発政策の放棄。安全神話復活に手を貸し、原子力ムラのメンバーになって利権に食い込もうと必死だ。いずれも自民党の4つの大罪を拡大する路線だ。

 しかも、この路線は官僚のシナリオ通りに進む。「官僚とは闘えない民主党」なのだ。最大の看板に偽りありだ。

 民主党がこの路線を行くなら、自民党は自らの罪を反省するどころか認める必要もない。それどころか今や事実上の連立が実現している。公明も入って「民自公大罪連合」の成立である。

 このままでは失われた30年になるどころか日本そのものが失われてしまう。解散総選挙、そして政界再編が急がれる。

「週刊現代」2012年7月7日号より

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