住友不動産が米ファンドを返り討ちに!? ~バブルの"怨念"渦巻く「六本木TSKビル跡地」をめぐる攻防劇
"戦場"となっている六本木の駐車場(筆者撮影)

 東京・六本木の地下鉄駅から1分の広大な駐車場に、「建築計画のお知らせ」が立ったのは5月31日のことである。

 敷地面積3760平方メートルに、地上34階建ての共同住宅を建設するという。延べ床面積は2万7200平方メートルで、来年4月1日に着工、2015年9月30日の完成予定だ。

バブルの爪痕は再生されたか

 六本木駅直結といっていい場所に建つ高層マンション---。

 人気化するのは間違いないが、それ以上に不動産業界の注目を集めているのは、ここが「昭和の娯楽の殿堂」と呼ばれたTSKビル跡地で、所有者の元広域暴力団組長・町井久之氏が02年に亡くなってからは、それぞれに権利を主張する魑魅魍魎がバッコ、その複雑さから「誰にもまとめられない怨念の土地」と、認識されていたからだ。

 しかし不動産は、リスクを取る業者の登場によって、いつかは再生する。

 4半世紀前のバブル経済の爪痕が残る全国の"戦場"が、争いの当事者たちの代替わり、地価の値下がり、"怨念"の風化などによって、再生されているように・・・。

 TSKビルもそうなったのかと思わせた。土地を取得し、建築主となっているのは住友不動産である。

 住友不動産といえば、1980年代の初頭から高騰を始めた土地バブルの"火付け役"だった。そのリスクを取る姿勢は今に生き、2011年10月11日、いずれかのダミーである有限会社都市アーバン開発(本社・東京都千代田区)から所有権を取得、移転登記したのである。

「さすがだね・・・」

 不動産業界は感心した。隙あらば、わずかな権利を主張して訴訟を起こす"輩"がいると目されていたからだ。

 結果として、その恐れは当たり、住友不動産は訴えられている。

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