シリーズ 2020年の世界から見た2012年の日本6
~日本人が見落としている日本のソフト・パワー~

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文:中塚 亘

姫路駅を通過する新幹線に興奮する外国人

 来日した外国人は日本のどこに日本らしさを感じるのか。「富士山、寿司、コスプレ、マンガ、着物、おもてなし・・・」こそが日本らしさであり、外国人をひきつけていると思ってはいないだろうか。しかし、どうやらそれらだけが日本の魅力ではなさそうだ。TVで放送された影響もあるが、YouTubeで200万を越えるアクセスとなっているあるシーンがある。それは外国人が姫路駅まで行って、猛スピードで通過する新幹線のぞみ号を見るシーンである。

 姫路駅の新幹線だけではない。「渋谷のスクランブル交差点の人だかりを見ると、一番ジャパンらしさを感じる」という外国人もいる。日本のソフト・パワーを強化しよう、ものづくり以外の日本の魅力を海外に伝えよう、という取り組みが官民で行われているが、外国人の視点は日本人の想像をはるかに超えている。

輸出を前提とした韓流ソフト・パワー

 ここ数年、韓国発のコンテンツが日本の若年層を中心にじわじわと、また着実に浸透している(図表1参照)。 NHKの調べによると、ドラマやバラエティを主に放送する衛星放送では、海外番組の年間総放映分数が5,001分にも上り、制作国別で見るとアメリカを抜いて韓国が1位に躍り出た(NHK放送文化研究所年報2011)。2011年のオリコンヒットチャートのアルバム部門では、上位にKARAや少女時代といったK-POPアーティストが並び、紅白歌合戦にその2組ともが出場したのも記憶に新しい。

 今から7~8年前の2004年前後、社会現象をおこした「冬ソナブーム」は"40~50代の女性"がターゲットであり、"一過性"だったのに比べ、最近の韓流現象は若者層まで根強く浸透している。民間シンクタンクの調べによると、「50代の韓流好き」は5~9年前からファンになっているのに対し、「20~30代の韓流好き」はまだ絶対数は少ないものの、ここ3年で急速にファン化していっていることがわかる(共立総合研究所「韓流消費に関するアンケート調査」、2012年3月)。