週末に「法案通過と同時に野田首相が辞任を表明」とのウワサもかけ巡った6月26日「増税法案採決」はどうなるのかを予想してみる

 もはや民主党はクダクダだ。6月21日(木)までに採決すると野田佳彦首相はいっていたが、22日もできず、とうとう26日(火)になるという。

 その前日の25日(月)午後には臨時代議士会が開かれる。実のところ、私はその夜に某民主党執行部幹部と勉強会の予定がある。それがセットされたのはこの騒動の前であり、彼もさすがにここまで党内事情がもつれるとは予想できなかったのだろう。国会が延長になって、しばし波静かな時にじっくりと勉強という趣旨であったが、今のままでは増税反対派に最後の説得工作を行わざるを得ず、その勉強会もキャンセルになるだろう。

 当面解散なしで消費税増税法案が3党合意で成立するということは、これまでの国会運営(昨年8月の東電救済法、今年3月の改正労働者派遣法、4月の郵政民営化逆行法などで民・自・公の密室談合)、用意周到な財務省の動き、それに洗脳されたマスコミ(昨年7月25日付け本コラム『「米国債はデフォルト危機」と大騒ぎする日本の新聞は「財政破綻」「増税」は好きだが、自分たちだけ「軽減税率」求める浅ましさ』で書いたように、新聞業界は軽減税率といううまみもある)、民主・自民の財務省出身議員らの動きから、合理的に読めた。

造反者の処分を甘くするのは合理的な戦略

 もっとも、最後に来て、造反して離党まで行くのかどうかという小沢グループの政治的なパッションは予断を許さない。まさしく「政治の一寸先は闇」である。政治決断には外部者が考えた合理性を超えたモノがある。ただし、小沢グループが造反しても、消費税増税法案の採決はびくともしない。民主289+自民119+公明21+国民3=435が基礎票だからだ。

 ただ、54人離党すると、民主289+国民3-小沢G54=238となって、民主党は衆院480の過半数がとれず少数与党になる。もし離党した小沢グループが内閣不信任案を提出し、それに解散を優先する自民などが同調すれば、増税が吹っ飛ぶことになる。内閣不信任案は法案審議より優先的に審議されるからだ。ちなみに内閣不信任案の提出は50名以上だ(衆議院規則第28条の3)。

 26日に予定されている採決に、造反は何人か、離党まで行くのは何人かが、今週の最大の関心事である。

 下馬評では、造反は60~70名程度、そのうち欠席・棄権は10~20名程度、反対が50名程度という。50名のうち何名が離党まで覚悟しているのだろうか。当然、25日は民主党執行部はこれらの切り崩しに奔走する。

 採決の方法は、起立採決(起立によって採決する方法で、だれが起立したかは厳密にはわからない)が原則だ。記名採決は、出席議員の5分の1以上からの申したて等が条件となっている。ここにきて、民主党執行部から、造反議員の処分について「過去の事例を踏まえてしっかり対応したい」という声がでてきた。これは、過去に法案への反対で除名した例はないことから、せいぜい党員資格停止程度の処分にしようということだ。

 そうした甘い処分をしようとするなら、誰がはっきり反対したかが対外的にも明らかにならない起立採決になるだろう。極端なことをいえば、起立採決では、中には起立といわれても中腰で起立したかどうか外からわからない「造反組」もでてくるかもしれない。また、棄権でも急に頭が痛くなった、腹が痛くなったということにすれば、厳しい処分を行わない理由も作れる。

 もっとも甘い処分も離党しない場合だけだ。自ら進んで離党する者は追わない。甘い処分を予め宣言するのは党運営として本来まずいが、大量離党によって少数与党にならないための戦略とすれば一定の合理性がある。

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