大丈夫ですか?先天異常、ダウン症の可能性がこれだけ高まる 国民的大問題高齢出産のリスクを考える

2012年06月28日(木) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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 出産の時も大変でした。子宮口がなかなか開かず、臨月から出産まで36時間もかかったんです」

 45歳での自然妊娠は極めて稀なケースで苦労もあったが、横田さんは無事に元気なお子さんを産んでいる。

染色体異常

 しかしながら、これは運のよい事例だ。たとえば、世界中の医師に最も読まれている権威ある医学誌『The New England Journal of Medicine』では、40歳で妊娠した女性の流産率は全体の50%以上、生まれてきた子供がダウン症になる確率は約100分の1になるという調査結果が発表されている。ちなみに20歳の母親からダウン症児が生まれる確率は1667分の1、25歳では1200分の1であり、実に12〜16倍以上の開きがある。

 なぜ、高齢出産のリスクはこれほど高いのか。京都大学医学部教授の菅沼信彦医師が解説する。

「女性が高齢になると、卵子も老化していくと考えられます。卵子は、女性が胎児のときに一生分が作られます。ですから、卵子が卵巣の中にある期間が長くなるほど、遺伝を司る染色体やDNAにダメージが蓄積され、細胞分裂の力も低下してしまう。ダウン症をはじめ、生まれてくる胎児の先天的な異常や疾患は、この卵子の老化が原因のひとつになっています。

 また、流産はごく普通の妊娠でも1割前後発生しますが、その原因のほとんどが染色体の異常によるものです。母親が年をとるごとに染色体の異常も起こりやすくなりますから、したがって高齢出産では流産の確率も高まるわけです」

 他にも遺伝子異常による先天性疾患には、心臓の変形など重い障害を伴い、生後1年で90%が亡くなるエドワーズ症候群やパトー症候群などがある。発生割合は3000〜5000分の1と低いが、高齢出産でリスクが高まる点はダウン症と同様だ。

 本誌先週号では、石田純一氏の妻でプロゴルファーの東尾理子さんが「お腹の赤ちゃんに、確率は低いながらもダウン症の可能性がある」と発表したことについて検証した。そこでコメントを寄せてくれた、元陸上日本代表で現在熊本市議会議員の松野明美さん(44)。彼女が、ダウン症の次男を出産した35歳当時の葛藤を振り返る。

「妊娠8ヵ月頃の検査で、心臓疾患の可能性があると指摘されたんです。『最悪のことも覚悟してください』と言われました。その時は本当に目の前が真っ暗になった。どうして私の子供がそうなのって、そればかり考えていました。

 出産は予定日より4週間ほど早かったのですが、終わったと思ったら、産声が聞こえない。見ると、取り上げてくれた医師が、息子をポンポンと叩いていました。その後、か細い泣き声が聞こえ、すぐに集中治療室に連れていかれました。

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